市川團十郎が『景清』ゆかりの地・清水寺を訪問 京都・南座にて、12/1より『吉例顔見世興行』が上演

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2023.11.15
清水寺「景清爪形観音」にて 市川團十郎 /(C)松竹

清水寺「景清爪形観音」にて 市川團十郎 /(C)松竹

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2023年12月1日(金)〜24日(日)京都・南座にて、京の年中行事『吉例顔見世興行』が開催される。本年は、十三代目市川團十郎白猿襲名披露、八代目市川新之助初舞台の公演となり、例年にも増して華やかな舞台になる。

この度、公演に先立ち、市川團十郎の襲名披露狂言として昼の部に上演する、歌舞伎十八番の内『景清』の主人公・悪七兵衛景清ゆかりの地である清水寺を市川團十郎が訪問。その模様が届いたので紹介する。

特別ポスター

特別ポスター

清水寺には、景清が自らの爪で観音様を彫ったとされる「景清爪形観音」がある。怪力だった景清の豪傑さを彷彿とさせる、現代においても直接景清を感じることができる貴重な灯籠だ。景清は清水寺の観音様を信仰していたとされており、近松門左衛門作『出世景清』をはじめ、様々な作品で、景清の信仰心を読み取ることができる。また、清水寺と景清の逸話は落語『景清』などにも用いられ、今の世にも受け継がれている。また、清水寺には景清の足型を彫った「仏足石」も本堂のほど近くにあり、その大きさからも景清の力強さを感じることができる(諸説あり)。

清水寺 本堂を背景に 市川團十郎 /(C)松竹

清水寺 本堂を背景に 市川團十郎 /(C)松竹

團十郎は、仁王門からほど近く、随求堂の前に鎮座する「景清爪形観音」と、景清の足型を彫った「仏足石」を見ながら、清水寺学芸員の坂井輝久氏より、京都に所縁の深い景清の逸話をうかがい、受け継がれる豪傑な景清に思いを馳せるひとときとなった。

また、訪問後の團十郎のコメントも公開。

ーー清水寺にて景清爪形観音を見た感想。

7日間、平家再興と頼朝に一太刀あびせたい、という思いで清水寺に籠り、その中で、景清が爪で観音様を彫ったということで、よほどの思いがあったのだと思います。命がけだった、ということがわかります。今回は『景清』を上演しますが、元の作らせていただいた『壽三升景清』は、景清が死ぬ間際の走馬灯の瞬間を描いた作品なので、『壽三升景清』と、清水寺様の景清爪形観音がリンクしたと感じました。『景清』は、頼朝に対しての思いが実らず、だからこそ死ぬ間際に夢を見た、景清や平家方の人間の刹那や願いがよく伝わる演目になっていると思います。

ーーご自身(当時海老蔵)が作られた『景清』が襲名披露興行でかかることに対して。

かなりめずらしいことだと思います。皆で作った作品が、團十郎襲名でかかる演目になり、嬉しいです。

清水寺 本堂を背景に 市川團十郎 /(C)松竹

清水寺 本堂を背景に 市川團十郎 /(C)松竹

なお、南座『吉例顔見世興行』昼の部は『景清』に加え、襲名披露狂言として團十郎とぼたん親子が共演する『男伊達花廓』、さらに新之助初舞台として『外郎売』ほかを上演。歌舞伎に親しみのある方はもちろん、歌舞伎を初めて観劇する方も歌舞伎の醍醐味を楽しむことができる華やかな演目が揃っている。

公演情報

京の年中行事
當る辰歳 
吉例顔見世興行
東西合同大歌舞伎
市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露
八代目市川新之助初舞台
日程:2023年12月1日(金)~24日(日)
会場:南座
 
【休演】7日(木)、13日(水)、18日(月)
【貸切】昼の部:23日(土)、夜の部:10日(日)
 
昼の部 午前10時30分~
 
第一、双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)
角力場
 
濡髪長五郎:中村鴈治郎
放駒長吉:中村隼人
平岡郷左衛門:中村亀鶴
三原有右衛門:大谷廣太郎
茶亭金平:中村寿治郎
山崎屋与五郎:市川染五郎
藤屋吾妻:中村壱太郎
 
野口達二 改訂
第二、歌舞伎十八番の内 外郎売(ういろううり)
八代目市川新之助初舞台相勤め申し候
 
外郎売実は曽我五郎:初舞台 市川新之助
大磯の虎:中村扇雀
化粧坂少将:中村孝太郎
遊君喜瀬川:中村児太郎
遊君亀菊:中村莟玉
梶原平次景高:市川九團次
茶道珍斎:片岡市蔵
梶原平三景時:市村家橘
小林朝比奈:市川男女蔵
小林妹舞鶴:中村雀右衛門
工藤祐経:中村梅玉

第三、男伊達花廓(おとこだてはなのよしわら)
 
五郎蔵:海老蔵改め市川團十郎
禿:市川ぼたん
三好枡兵衛:大谷廣松
荒浪磯蔵:中村歌昇

松岡 亮 脚本
藤間勘十郎 演出・振付

壽三升景清
第四、歌舞伎十八番の内 景清(かげきよ)
 
悪七兵衛景清:海老蔵改め市川團十郎
阿古屋:中村雀右衛門
岩永左衛門:市川右團次
尾形次郎:大谷廣松
愛甲三郎:市川男寅
三浦四郎丸:中村玉太郎
梶原源太:市川九團次
花菱屋女房おさく:市村萬次郎
秩父庄司重忠:中村梅玉

夜の部 午後3時45分~
 
第一、仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
衹園一力茶屋の場
 
大星由良之助:片岡仁左衛門
遊女おかる::中村孝太郎
富森助右衛門:中村隼人
大星力弥:中村莟玉
矢間重太郎:市川染五郎
鷺坂伴内:片岡松之助
斧九太夫:松本錦吾
赤垣源蔵:片岡進之介
寺岡平右衛門:中村芝翫
 
    十三代目市川團十郎白猿
第二、 八代目市川新之助    襲名披露 口上(こうじょう)
 
海老蔵改め市川團十郎
初舞台市川新之助
 
片岡仁左衛門
中村梅玉
幹部俳優出演
 
第三、歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)
          河東節十寸見会御連中
 
花川戸助六:市川海老蔵改め市川團十郎
三浦屋揚巻:中村壱太郎(1~12日)
                     中村児太郎(14~24日)
三浦屋白玉:中村児太郎(1~12日)
                     中村壱太郎(14~24日)
髭の意休:市川男女蔵
朝顔仙平:中村歌昇
福山かつぎ:中村隼人
男伊達山谷弥吉:中村亀鶴
同 田甫富松:大谷廣太郎
同 竹門虎蔵:市川男寅
傾城八重衣:大谷廣松
同 浮橋:中村玉太郎
揚巻付番新巻絹:中村梅花
文使い番新白菊:中村歌女之丞
奴奈良平:市川九團次
国侍利金太:片岡市蔵
三浦屋女房:市村家橘
遣手お辰:市村萬次郎
曽我満江:市川門之助
くわんぺら門兵衛:中村芝翫
白酒売新兵衛:中村扇雀
通人里暁:中村鴈治郎
 
口上:市川染五郎
後見:市川右團次
 
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