ファンとシンガーの距離の近さが生み出すアットホームで熱いフェス!『Anison Fes SSS』レポート

レポート
アニメ/ゲーム
2025.8.13

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■2025.07.09『Anison Fes SSS』@Zepp Shinjuku(TOKYO)

Sing(歌う)・Speak(話す)・Stage(舞台)をコンセプトに、歌とトークイベントを融合した新しいスタイルのアニソンフェス『Anison Fes SSS』が、7月9日にZepp Shinjuku(TOKYO)で開催された。大型フェスにはないアットホームな空気と熱いステージのコントラストで盛り上がった当日の様子をレポートしよう。

■シンガーとファンの近さが生み出す密度の濃いライブステージ!

猛暑日の平日にもかかわらず、Zepp Shinjuku(TOKYO)には新たなフェスのスタートを見届けようと多くのアニソンファンが集結。開演時間を迎えると、ステージにはそのオタク知識の深さで様々なアニメ系番組やイベントでも活躍するお笑い芸人・天津飯大郎が登場。クラップをあおるゲキなどを入れて会場の空気を盛り上げ、止まらないクラップにツッコミを入れつつ本日の出演陣を招き入れる。

今回は茜屋日海夏&久保田未夢の二名で登場のi☆Ris、なすお☆、鈴木杏奈、Who-ya Extendedという、というメンバー。そしてZepp Shinjuku(TOKYO)でのライブは初めてということで、光量の強い照明類やスタンディングのフロアの柵の多さにツッコミを入れながらのフリートークが盛り上がり、司会の天津 飯大郎の「フェスっぽいスタートにしましょう」というトークから、ステージ上の出演陣とフロアのファンが声を合わせて「スタート!」のかけ声でフェスの幕が上がった。

そんな『Anison Fes SSS』のトップバッターを務めるのは、オープニングMCでも「唯一の男性シンガーとして盛り上げたい」と語っていたWho-ya Extended。モノトーンのアーティストロゴがスクリーンに映し出され、荘厳なイントロダクションとライティングで場内の空気が引き締まっていく中で始まったのは、衝撃のメジャーデビューとなった『PSYCHO-PASS サイコパス 3』のオープニングテーマ「Q-VISM」と、劇場版『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』主題歌「Synthetic Sympathy」と、力強いサウンドと共に『PSYCHO-PASS サイコパス』の世界に場内を染め上げていく。

さらに今回のセトリは全曲アニソンでと語り、『ばいばい、アース』第2シーズンオープニングテーマ「Aufheben」と、『呪術廻戦』第2クールオープニングテーマ「VIVID VICE」とパワフルなナンバーで畳み掛けていく。

そして「次が最後の一曲です」と告げた時の場内の「えー?」の声に、「その声もっとライブで出して」と笑いを誘いながらゲキを飛ばしながら送るラストナンバーは、この夏スタートの新番組『陰陽廻天 Re:バース』のオープニングテーマ「CRY OUT CRY OVER」。ライブ初披露となる最新曲を、アニメ本編のオープニングムービーをバックに熱唱し、力強いロックナンバーの連発で会場の空気を一気にヒートアップさせてみせた。

続いては、本人の個性が光る衣装をまとったなすお☆が登場。ステージの最前まで身を乗り出して、場内のファン一人一人に歌声を届けるような熱唱で、『死神坊ちゃんと黒メイド』第3期オープニングテーマ「シネマティックパレード」と、『可愛いだけじゃない式守さん』オープニングテーマ「ハニージェットコースター」を唄い上げていった。

歌い終えてのMCでは「はじめましての人も多いと思うので、みんなに覚えてもらえるように、”とあるもの”を持ってきました!」と何かを舞台袖に取りにいくなすお☆。すると、そこに現れたのはなすお☆のライブではお馴染みの野菜のなすびでフロアからは笑いが起きた。その際にフロアのファンから採れたてのビッグサイズななすびをプレゼントされるサプライズも。

そしてアニソンを好きになったきっかけが「私の推しが生きている」ことを感じさせてくれるキャラクターソングで、そんな想いから自ら作らせて下さいと申し出たという『可愛いだけじゃない式守さん』の狼谷さんを唄った一曲「またね~狼谷さんキャラクターインスパイアソング~」を披露。せつない想いを込めた情感溢れるボーカルとリリックを力強く唄い上げ、終わった後には大きな拍手と歓声が響き渡った。

そして11月に決定した初めてのホールワンマンライブなどの告知を経て、いよいよラストナンバーに。「一緒に飛んでくれますか? 声出してくれますか?」というゲキとともに始まったのは、『合コンに行ったら女がいなかった話』オープニングテーマ「メリーゴーランドタイム」。明るくポップでパワフルなナンバーを、なすお☆とファン全員が一体になってのジャンプ&クラップを交えて盛り上がり、フェス前半戦を見事に締めくくった。

■トークステージではシンガー達の意外な日常の姿が

なすお☆のステージが終わると、出演陣が全員ステージに登場してのトークステージがスタート。盛り上がるナンバーの連発だったWho-ya Extendedとなすお☆のステージの感想などを語り合った後に、企画トークコーナー「少し聞いてみたいシンガーへの質問!!」がスタート。

最初の質問は「壇上で他の出演者とトークするのが初めて」というWho-ya Extendedが色々考えてこうなったという「打ち上げをするとき乾杯の一杯は何にしますか?」。ライブのトークらしからぬ日常的な質問にステージもファンも微笑ましい雰囲気に包まれる中、i☆Risの茜屋は「ビール」で久保田は「ウーロン茶の氷抜き」。なすお☆は「生ビールで二杯目からは…???(会場限定)」と意外な一面を見せ、鈴木は「グレープフルーツジュースだけど、最近はコーラ飲めるようになった」。そしてWho-ya Extendedは「ビール一択」と、それぞれに好みや個性がかいま見える回答が出揃った。

続く鈴木杏奈からの質問も「好きな麺類」と、世間話のようなトークテーマが続く。「うどんだけど最近は冷麺ブーム」という鈴木に対して、Who-ya Extendedは「ラーメン、特に二郎系ラーメン」とイメージに反してのガッツリ系な回答に場内がどよめく。i☆Ris・久保田は「明太子が好きなので、明太子ありきでパスタやうどん」と応え、同じく明太子好きというなすお☆が喜ぶ一幕も。i☆Ris・茜屋は幼少期に食べさせられすぎたというラーメンは苦手ながらも、袋麺の「辛ラーメン」が好きで、喉を痛めないよう卵やチーズ入りなど色々アレンジに凝っているとのこと。そしてなすお☆は「あんかけ系の麺類」が好きということで、次のお題へ。

最近になって配信で見たドラマ『池袋ウエストゲートパーク』にハマっているというi☆Ris・茜屋からは「最近のマイブーム・流行は?」という質問が。i☆Ris・久保田は最近になって「VTuber」の配信にハマっていて、にじさんじのルンルンや、甲賀流忍者!ぽんぽこなどケモノ系VTuberが好きとのこと。なすお☆は「ASMR」でAIが作る石を切る音など風変わりなものを紹介し、鈴木は「星の形」のぬいぐるみやグッズを集めるのにハマっているとのこと。そしてWho-ya Extendedは相撲部屋の日常の動画配信や、ライブで遠征した先での競馬観戦と、ラーメンに続く意外な回答で場内を沸かせた。

 

そしてi☆Ris・久保田からの質問は、7月9日がジェットコースターの日という事にちなんで「好きなジェットコースターは?」だったが、誰も特に好きではないということで終了という意外な結果に笑いが起こった。

そして最後はなすお☆から「明日世界が終わるとしたら何がしたい?」という時事ネタ的にタイムリーな質問が。なすお☆は「好きな明太子を食べる」と答え、Who-ya Extendedはさっきの久保田の質問に絡めて「メチャクチャ苦手なジェットコースターを克服したい」と回答してあっさり終わった久保田の質問をフォロー。そしてi☆Ris・久保田は「貯金全部アプリのガチャに課金したい」と答えて、フロアのファンからも共感の笑いが起きた。そしてi☆Ris・茜屋は「何もしないで普通に過ごすけど、最後にストレス残したくないから愚痴を全部吐き出したい」、鈴木は「やけになった人が大勢外で暴れてると思うから、戸締まりして家でゆっくりしたい」とリアルな回答で締めくくった。

そしてトークステージの最後に再びさっきのジェットコースターの話題となり、実は質問者の久保田も「ジェットコースターは好きじゃなかった」と語り、むしろ嫌いだというなすお☆は「ジェットコースターは無くなればいい」とぶっちゃけてトークステージを締めくくった。

ライブやフェスではめったにないスタイルのトークステージとなったが、シンガーの日常がかいま見えるトークの数々にファンもほっこりと盛り上がる中、いよいよライブは後半戦がスタート。

■後半戦も怒涛のアガる曲ラッシュ!

「久々のソロで緊張しているけど、MC抜きで時間めいっぱい唄います」

後半戦のトップを飾る鈴木杏奈は、そう宣言して担当時間内に目一杯曲を詰め込んだ熱いパフォーマンスを披露。

ゲーム『アズールレーン』からの「Sail Away Justice」、メディアミックス音楽プロジェクト『ウタヒメドリーム』の桜木舞華として唄う『即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。』エンディングテーマ「Haze」&『俺は全てを【パリイ】する ~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~』 オープニングテーマ「AMBITION」と曲の合間にファンの声援に応えながらパワフルに熱唱。力強いロングシャウトやファンと一体になってのクラップで場内が一体となって熱い盛り上がりを見せた。

さらに「先輩の歌、がんばりまーす!」の挨拶と共にi☆Risの「Queens Bluff」をエスニックなメロディに乗せてノリ良く唄い上げる。そして「最後みんなでだしきろー!」というゲキとともに、『ワッチャプリマジ!』オープニングテーマ「Magic×Color」をファンと一体となってパワフルに唄い上げて、全5曲のステージを全力疾走してみせた。

「凄い駆け足だったけど私の魅力伝わりましたかー? またみんなに会える日を楽しみに待っています!」

「はじめましての人もありがとー! 楽しかった!」

そんな喜びのメッセージをファンに届けて、ライブはいよいよトリのi☆Risの二人によるステージへ。数々のライブやフェスを盛り上げ続けてきたi☆Risだけあって、二人でもパワフルなハーモニーとダンスなどのパフォーマンスで場内を沸かせた。

i☆Risの代名詞でもある『プリパラ』シリーズから第1クールオープニングテーマ「Make it!」からライブはスタート。そしてライブ恒例の自己紹介パフォーマンスと、秋に公開予定の映画『アイカツ!×プリパラ THE MOVIE -出会いのキセキ!』の紹介も絡めて、第2シーズンオープニングテーマ「ドリームパレード」を熱唱し、客席からはコールも巻き起こって盛り上がる。

「まだまだ終わりませんよー! 幸せの新しい世界に行きましょー!」

そんなゲキとともに『バトルスピリッツ ディーバブースター ~女神たちの調べ~』テーマソング「Happy New World☆」で盛り上がると、いよいよフェスを締めくくるラストナンバーに。

「すごいですね熱量が 平日の夜とは思えない!」

「悔いが残らないくらい大きな声で楽しんでいってください!」

そんなメッセージと共に始まったのは、i☆Risのライブでもアガる定番ナンバーの『賢者の孫』オープニングテーマ「アルティメット☆MAGIC」。最後ということで、フロアも全力でコールを飛ばしたりジャンプを決めたりと盛り上がり、それに応える様にi☆Risもフルメンバーさながらのパワフルな歌とダンスで共に盛り上がり、記念すべきフェスの第1回を見事に締めくくった。

最後に再び出演陣が勢ぞろいし、それぞれが楽しく激しくステージをやり遂げた満足感に満ちたメッセージを、応援してくれたフロアのファンへと送った。

そして天津飯大郎より第2回の開催決定の告知もあり、「色々なアーティストを知っていただき推しを増やしてほしい」というメッセージと共に記念すべき第1回の幕は閉じた。

シンガーとファンの距離が近いスケールの会場だからこそ可能な、密度の濃いライブの盛り上がりとアットホームな盛り上がりを見せたトークステージが融合。独特の気持ちよさのあるライブとなった『Anison Fes SSS』。第2回ではどんなシンガーがライブとトークを繰り広げるか、楽しみに続報を待とう。

取材・文:斉藤直樹

セットリスト

■2025.07.09『Anison Fes SSS』@Zepp Shinjuku(TOKYO)

●Who-ya Extended
01.Q-vism
02.Synthetic Sympathy
03.Aufheben
04.VIVID VICE
05.CRY OUT CRY OVER

 
●なすお☆
06.シネマティックパレード(short)
07.ハニージェットコースター
08.またね~狼谷さんキャラクターインスパイアソング~
09.メリーゴーランドタイム

●鈴木杏奈
10.Sail Away Justice
11.Haze
12.AMBITION
13.Queens Bluff
14.Magic×Color

●i☆Ris(茜屋日海夏&久保田未夢)
15.Make it!
16.ドリームパレード
17.Happy New World☆
18.アルティメット☆MAGIC

(C)2025 AnisonFesSSS実行委員会
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