LAST ALLIANCE『RUSH BALL 2025』クイックレポートーー歯を食いしばって耐え抜いた先に、待ち受けていた今日という輝かしい未来

LAST ALLIANCE『RUSH BALL 2025』

「『RUSH BALL』初めまして！」と放ち、「HEKIREKI」で幕を切り落としたLAST ALLIANCE。開幕数秒、世代を悠々と超越するグッドメロディーが、ANZAI（Vo.Gt）とMATSUMURA（Vo.Ba）の掛け合いによって、あるいはボーカルと相似の楽譜を描くギターリフによって、濃厚な香りを放っていく。

素晴らしきモーメントを共有するために手を取り合わんと表明する「LAST ALLIANCE」から、未だゴールには到達していないことを吐き出した上で、新たなスタートを切ったと高らかに宣誓する「LAST ALLIANCEⅡ」を連ねたブロックには、シングル「LAST ALLIANCE」をリリースした2003年から「LAST ALLIANCEⅡ」を産み落とすまでの21年の月日が濃縮されていた。その年月とはメンバーそれぞれが自らの人生におけるプライオリティーを考え直し、この時代でバンドをやることの意味を問うた期間とイコールのはず。他でもない彼ら自身の意志で再び肩を組んだゆえに、このユナイトは強靭なのであり、最高到達点へ挑戦し続けられるのだ。

「『RUSH BALL』には初めて出させてもらって。みんなと一緒に遊べるのが嬉しいです」とATMCのステージへ立った幸福を滲ませてプレイした「疾走」も込められた思いは変わらない。＜ゴールは無いぜ 折り返しも無いぜ＞と告げるこの曲だって、まだまだゴールのない道の途中にいることを提示しているのだ。

ANZAIによるハイトーンのコーラスワークが哀愁を演出する「a burning bullet」を終え、「汚れた膝の汚れを皆さんで落としましょう」と「片膝の汚れ」が終止符を打つ。頭から転んだって、歩けないほどの向かい風だって、歯を食いしばって耐え抜いた先に輝かしい未来が訪れる。LAST ALLIANCEがその生き様で見せつけてきたメッセージを、渾身のドストレートで飛ばした。

取材・文＝横堀つばさ　撮影＝松本いづみ

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