緒方恵美 Birthday LIVE2026「YELL ROCK BEST!」インタビュー

インタビュー
アニメ/ゲーム
11:00
 撮影:大塚明正

撮影:大塚明正

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毎年6月6日、緒方恵美の誕生日に開催されるバースデーライブ。2026年は『緒方恵美Birthday LIVE2026「YELL ROCK BEST!」』と題し、ファンが選んだ10曲を中心にセットリストを構成される。一体どんなライブになるのか。10曲をセレクトしてもらうことになった経緯や“YELL ROCK”という言葉への想い、今の緒方の中にある表現者としての率直な気持ちなどをたっぷりと語ってもらった。
※なお、このインタビューは現在、各配信サイトで公開中のプレイリスト『緒方恵美「オガタ・エール・ロック」ベスト10』決定前の段階で実施。

――毎年恒例となっているバースデーライブ。今年のライブのタイトルは「YELL ROCK BEST!」です。Xのポストで「ものすごい記念になることだけは間違いない。ほんとうにたのしみ」とおっしゃっていられたのが気になります。今イメージされているコンセプトなどをお聞かせください。

今回は初めてファンの方の投票でセットリストを決めることになって。そこがまずいつもと違うところです。ベスト10を投票で決めていただき、その10曲でプレイリストを作ります。そのプレイリストでライブの予習ができるようになっています。

――ファンのみなさんから募集するというアイデアのきっかけはどんなものだったのでしょうか? 以前から緒方さんがやってみたいと考えていたことなのでしょうか?

秘密主義というわけではないのですが(笑)、サプライズがあるほうが面白いと思っているので、ネタバレになるようなことはお芝居にしても音楽にしてもあまりしないほうがいいと思って長年やってきたのですが、昨年還暦になってしまったので。

――なってしまった(笑)。

年齢を重ねることは自然なことなので、それに見合う中身になれればとは思っているのですが、ありがたいことにいまだに若い年齢の役をやることが圧倒的に多くて。役をやるという意味では大人のマインドにならないでここまで来てしまったところがあるので、そういう意味で、気付いたらそうなのか、と。もちろん肉体にはいろいろキテいるのですが(笑)。ともかく、人生的に一巡したので、何か今までと違う考え方・方法論でやってみたいなと思ったのがきっかけです。ふと振り返ったら、最近の作品でファンになってくださった若い方が多くて。ありがたいことに今年のファンクラブの会員数も若い方を中心に2割増に。これはもう完全に『地縛少年花子くん』とか『呪術廻戦』のおかげなんですが、そういった若い方たちから「緒方さんが歌を歌っているのは分かっているけれどどこから履修すれば?」という声が聞こえてきたんです。

――確かにそれはセレクトを考えてしまいますね。

30数年もやってますからね。うっかり(笑)。

――10代、20代の方からしたら、生まれる前からの話になりますよね。

そうなんです。だからこの機会にちょっとユーザーフレンドリーにしようと!とりあえずまずこれを押さえておけばなんとかなるよ、楽しんでもらえるよという「入口」的なライブを作りたいなと。そのためには、古参のファンのみなさんのお力をお借りしたいなと(笑)。

――おすすめを知り尽くした方たちの力で。

それです! ご自分が励まされたと思ってくれた歌を、次世代の人に繋いでもらえませんか、と。2010年以降、ネガティブな歌詞を書かないと決めて、“YELL ROCK”を標榜し、皆様の背中を少し押す音楽を作ってきました。その中で、「定番中の定番」「絶対履修しといて!」とみなさんがおすすめする曲を募集し、ベスト10をやってみることにしました。

――ファンの方で繋いでいくというのは、面白いですよね。

私よりファンの方々のほうが詳しいですから(笑)。

――ファン目線ならではの「緒方さんのこの曲を聴かせたい!」がありそうで、とても興味深いです。

とりあえずベスト10を選んでもらって、そこに流れ的に良いものを挟みながら、全体元気の出る楽しいライブにできたらいいなと思っています。

撮影:大塚明正

撮影:大塚明正

――会場も今年はより年齢が入り混じった感じになりそうですね。

すでにだいぶ入り混じってはいるのですが(笑)。スタンディングライブの楽しさを知っている常連の方は変わらず元気に参加してくれているのですが、中にはもうスタンディングは、みたいな年齢の方もいて、でも、代わりにちょっと若めの人たちが、ありがたいことに入ってきてくれているので。いい作品に関わらせていただいたおかげだなと思っております。

――作品の影響だけではないかと思いますが。

10歳前後からアラカンくらいまで、幅広い皆さんと跳べてて、嬉しいです(笑)。とにかく、一周したのでもはやこれ以降は枠を取り払って、できるところまで自由にやってみようと! その導入としてプレイリストを作ることにしました。みんなが選んだ、「あなたの背中を押すオガタ・エール・ロック」みたいな。それがあれば、今回のライブのためだけじゃなくて、たくさんの方に聴いて元気になってもらえるなあって。と。レーベルからこういう機会をいただけて、大感謝です!

――そういったプレイリストがあれば繋ぐこともできるし、残すこともできるということですね。

そうですね。とりあえず、「オガタ入門」的にまずそれを聴いてもらって、他にも聴いてみたいと思ってくれるきっかけになればうれしいですし、そうでなくても、聴いたその瞬間、ちょっと元気になってくれたらうれしいなと思っています。

――背中を押す前向きな曲を作ろうと思ったきっかけはあるのでしょうか。2010年とおっしゃっていましたが。

2009年に、一旦、音楽活動をやめたんです。その間に出会った音楽仲間と共に、1年後に再始動することになったのですが、その時に作った楽曲が転機になりました。2000年代中盤から、詞曲全て自分が作った楽曲で、バンドメンバーとバンに乗ってバンド小僧的な活動をしていたんです。楽しかった! でも1回ツアーの会場数を増やした時にトータルでは動員できていてもばらつきが出てしまう場所がどうしても出てきてしまって利益が出なくて、各所にご迷惑をかけた上に赤字を背負ってしまって。自責の念で1回やめたのですが、バンド小僧として過ごしてきた日々で、音楽仲間がすごく増えちゃってて。やめたら逆にいろいろなライブハウスから「やりませんか?」とか、ミュージシャンから「対バンやらない?」という声がめっちゃかかるようになっちゃって(笑)。

――アーティスト魂が疼いちゃいますね。

最初は「カバーなら」みたいな感じで参加していたんですが、そんな中で今のバンドメンバーに知り合って、意気投合して、そんな彼らに推されて、もう一回やってみよう、という気持ちになれた。その記念にみんなで一緒に作ったデモテープが、2010年に出した『再生 -rebuild-』。ちょうど始動したゲーム『ダンガンロンパ』で、プロデューサーからデモありませんかと聞かれてそれを渡したら、タイアップが決まって。タイトル通り、再生――本当に再始動になりました。

――流れるようにいろいろと。

その翌年。ここからどうするかと考えていたタイミングで東日本大震災が起きた。その時、被災地のみなさんから『再生 -rebuild-』にものすごく励まされているというフィードバックをたくさんいただいたんです。自分たちもここから再生したい、頑張りたい、と。言霊に励まされた、と。

それまでも、言霊の力が強いみたいなことを言われることが、よくありました。普通に喋っている言葉でも、お芝居でも乗ってくるものがバーンとくるので、揺さぶられる、影響を受けると。自分でも、少しだけですが自覚はあったんです。たとえば曲作りで曲先で来たものに歌詞をつけようと思って書くと、本当に歌詞の通りのことが起きてしまったりすることが、よくあったので。

――まさに言霊ですね。

いいことならいいけれど、たとえば失恋の曲を書くと失恋してしまったりとか。具体的なことは控えますが、それ以上の歌詞通りのことが起きてしまったりすることもあって。でも考えてみれば、それなら前向きなことを綴るようにすればいいのでは? と。それまでは照れもあって、あんまりストレートに希望を語るのはと思っていたんですけど、ちょうどダンガンロンパでやっていた主人公・苗木誠が「超高校級の希望」と言われる人で。ごく普通だけどちょっと前向き、そして希望を語る人。そんな彼に背中を押されたのもあります。そこからオリジナルの楽曲は、ほんの少しだけ皆様の背中を押せる、そんな楽曲だけを作っていこうということになりました。若い時には紡げなかった、この年齢になったからこそな言葉で、音で、皆様に元気になってもらえるような楽曲をお届けできたらなと思っています。

撮影:大塚明正

撮影:大塚明正

――長く続けてきただけでなく、第一線で残ってきたからこそ行き着いた場所という印象です。そしてここまで、そしてこれからに向けての試みですね。

そうですね。あとは、年齢を考えると本当にいつ何が起こるか分からないということもあって、一度ここで総決算的なことをやっておこうって意味でも。

――これからという言葉が出てきたばかりですが(笑)。

はい(笑)。総決算、かつこれからのために。でも、なんでもやれるうちにやっておいたほうがいい。社会情勢的にも、今やれてることがいつできなくなるかわからないし。

――確かに、何事もそうですよね。どの業界においても、どんなことがどのタイミングで影響してくるか分からない世の中ですから。

だからこそ、やれる時に。後悔はしたくないので。

――承知いたしました!

とにかくまたここから楽しみましょうという気持ち。いわゆる声優アーティストと呼ばれる中で、コンスタントにライブを続けている最古参みたいにうっかりなってしまいましたから。どこまで行けるのか。なんとかギリギリやれるところまで。

――今、スタッフさんから「突っ切ってください」という声が、出ていましたが。

アハハハ。頑張ります。ちょっとでも興味を持ってくださる方は、この機会にぜひ触れに来てください、後悔しないように(笑)。

できたら会場に来られたほうが、一番エネルギーの交換ができるのでおすすめです。難しかったら、配信もありますし! 今回はまだ、ね。いつまでできるかわからないけど。そしてそれでもどうしてもな方は、プレイリストを聴いてみてください。現地での参加は、肉体は疲れますが、ライブ後しばらくは肌がツヤツヤになって元気になるという声もよく聞くので、お肌の新陳代謝のためにぜひ(笑)。

――インタビュー中、何度か決め台詞を聞いたので、つやつやになれそうな気がしています(笑)。

決め台詞もライブ中には聞けるかもしれませんよ?(笑) 声優になって一番いいのはそういうとこですよね。なんかセリフを喋るとお客さんが笑ったり、よろこんでくれる。今まではね、それはそれ、歌は歌って思っていたんですよ。でももうここまで来たら、いいやって。私の全部を使って楽しんでもらえるライブを、やっていこうと思います。出し惜しみしている場合ではない、残り少ないかもしれないひとつひとつのステージを、自分自分の持てる全てを使ってみんなに元気になってもらうために。ぶっ飛ばしていきますよ?(笑)

撮影:大塚明正

撮影:大塚明正

――バースデーライブ、表現者としての今の気持ちを率直にお話しいただき、これまでの取材で伺ってきたことなどとつながるところもあって、とても興味深いお話しでした。ありがとうございます。

これから先、いろいろなことをやる時にもこのマインドは持ち続けていきたい。芝居も歌もトークも、Xのコメントですらも(笑)。みんなに楽しんでもらうことと、年齢相応の伝えるべきところは伝えていくこと、これを共存させていきます。特にライブでは濃厚にね?(笑) って今日は、いろんなこと喋りすぎました。でもそこも含めて、緒方、あの時あんなこと言ってたのに……と思ったら、後で連絡ください。苦言、すべて受け止めます(笑)。

――今のマインドを大事にしたい強い気持ちが伝わってきます。気になった際には、遠慮なく、ご連絡いたします。

すべて受け止めると言いつつ、できれば、柔らかめな苦言でよろしくお願いいたします(笑)。

取材・文:タナカシノブ 撮影:大塚明正
 

ライブ情報

緒方恵美Birthday LIVE2026「YELL ROCK BEST!」

■公演日:6月6日 (土)
■会場:渋谷クラブクアトロ
(東京都渋谷区宇田川町 32-13 4F)
■開場開演:16:00開場 17:00開演


■料金:前売 スタンディング8,800円 / U-186,600円 / VIP14,300円
ドリンク別 ※ご入場時ドリンク代¥600が別途必要です。
https://eplus.jp/ogata2026/

※未就学児入場不可
※営利目的の転売禁止
※転売入場不可
※オークション等への出品禁止
※迷惑行為一切禁止
※開場・開演時間、出演者は諸事情により変更になる場合がございます。それに伴う代・交通費等の払戻しはいたしません。あらかじめご了承ください。

■Streaming+配信視聴(国内在住者向け):4400円(税込)
配信購入 https://eplus.jp/ogata2026-ol/
販売期間:~6月13日(土)21:00まで
アーカイブ視聴期間:6月6日 (土)19:00~6月13日23:59まで

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