TVアニメ『甲鉄城のカバネリ』千本木彩花さん&内田真礼さんにとって生き抜くために必要なモノ
『甲鉄城のカバネリ』千本木彩花さん&内田真礼さんインタビュー
2016年4月7日(木)よりフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送がスタートする、荒木哲郎監督による新作オリジナルTVアニメ『甲鉄城のカバネリ』。同作にてヒロイン・無名(むめい)を演じる千本木彩花さんと、菖蒲(あやめ)を演じる内田真礼さんへインタビューさせていただき、役を演じる上で意識した点や、作品、監督についての印象などたっぷりお話を伺いました。
本作は、蒸気機関が発達した島国「日ノ本」を舞台に、鋼鉄の皮膜に覆われた心臓を持つ生ける屍=「カバネ」と人との生き残りを懸けた戦いが描かれる、スチームパンク・サバイヴ・アクション。アニメ『進撃の巨人』を手がけた荒木監督をはじめ、制作にWIT STUDIO、シリーズ構成に大河内一楼氏、キャラクター原案に美樹本晴彦氏を迎えた豪華スタッフ陣でも期待を集めています。
■ 周りの人との違いや成長を意識した演技
――ご自身が演じるキャラクターについて教えて下さい。
無名役・千本木彩花さん(以下、千本木):無名は謎の少女です。性格はとても無邪気ですが戦いに関してはプロフェッショナルで、甲鉄城に乗っている他の人とは少し違う存在ですね。
菖蒲役・内田真礼さん(以下、内田):菖蒲はお父様が偉い立場(顕金駅を治める家)の人で、みんなから慕われる箱入り娘です。最初はまだ自立しておらずお父様の側にいるのですが、彼女自身はお姫様でありたいと思っているのではなく、経験不足で何をしたらいいのかわからずにいる女の子です。
――そのようなキャラクターを演じる上で意識した点はありますか?
千本木:意識したのは“一般の人とかけ離れている感じ”です。他の人が緊迫した状況の中にいる時でも、彼女は楽観的でいられる。周囲の感覚につられてしまわないように、意識して演じています。それから、普段の無名と戦う時の無名の切り替えも意識しました。戦いのスイッチが入る瞬間は特に気をつけています。
内田:菖蒲のキーワードは「成長」だと思っていて、物語を通してかなり心境の変化を遂げていきます。ですので、前回のアフレコを思い出して今の菖蒲はどういう状況なのか、少しずつ地に足をつけて立っていく菖蒲はどんな感じなのか、それを毎回意識して演じています。
――役が決まった時はいかがでしたか?
千本木:オーディションは男女5人ずつぐらいの掛け合い形式で行い、荒木監督は「ここに呼んだ皆さんならば、誰が(役に)なってもいいので」と話されていたんです。「それなら私が!」という思いで持てるものを全部出してやりました。
「誰でもいいと言っていたし…受かっていたらいいなぁ」と思っていたら合格の連絡をいただいて、気持ちは「よっしゃー!」の一言に尽きますね(笑)。その瞬間は本当に嬉しかったのですが、ノイタミナ作品ですしメインの役を演じるのはほぼ初めてだったので、アフレコが始まるまでは不安も大きかったです。
内田:私も姫と呼ばれる立場を演じることに、最初は不安でいっぱいでした。現場でも「姫」とか「菖蒲様」と呼ばれていますし、そういう役をどう演じればいいんだろうって。実際、最初に演じてみた時は「内田の菖蒲は、“周りが思う姫”を演じているでしょ」と言われて、その通りだと気づいたんです。きちんと彼女自身としてこの作品の中に生きなければと思い、少しずつ彼女の立ち位置を考えて演じられるようになりました。
――不安はどうやって乗り越えたのでしょうか?
千本木:とにかく1話1話、必死に台本と向き合うことですね。皆さん上手な方ばかりなのでついていくのに必死ではありますが、音響監督の三間(雅文)さんはしっかりディレクションしてくださるので、描かれていない私生活や小さい頃などもいっぱい考えて無名を作り上げようと、自宅でも台本と向き合っています。
内田:私も1話1話の達成感を感じながら、徐々に不安がなくなった感じです。この作品は内容が濃くて毎回30分のストーリーがすごく長く感じるんですよ。収録中はアドレナリンが出ているのか、生駒役の畠中(祐)さんはいつも汗だくで (笑)。こんなに刺激的な現場はないというぐらいの熱量なんです。私も芝居と芝居でぶつかりたいと思いますし、皆さんについていこうと1話ずつ大切に演じさせていただいています。
■ 映画級の映像クオリティ!女の子のアップや機関車の戦闘シーンも注目!
――第1話をご覧になった感想をお聞かせください。
内田:「私で大丈夫かな?」と思っちゃいました(笑)。第1話はすごく緊張している感があったので……。
千本木:内田さんでもあるんですね。私も自分でいいのかなってすごく思いました。ガチガチ感が半端じゃなくて、これはまずいんじゃないかなって(笑)。
内田:ありますよ(笑)。オリジナル作品だからこそ、皆さんに納得してもらえるキャラクターになったら嬉しいなと思っています。
――アクションシーン等の映像や音楽についてはいかがでしたか?
千本木:本当にすごかったです!
内田:映画かと思うぐらいのクオリティで。あと、女の子がアップになった時の気合の入り方がすごい(笑)。見て欲しいと言わなくとも目に入るぐらい、強烈な印象があると思います。
千本木:機関車で戦うシーンの完成度もすごいです。機関車はこの作品のキーワードでもありますので、そこは大きな見どころだと思います。あと、カバネにも注目して欲しいですね(笑)。
内田:中の人は次の日に影響が出そうなぐらいに頑張っていますから(笑)。
千本木:カバネは息を吸いながら声を出す「引き声」でやるので、相当大変だと思います。私たちも参加しようとすると止められちゃうんですよ(笑)。
内田:やってみたいのに!
――ノイタミナ作品にはどのようなイメージを持っていますか? 特に印象的な作品があれば教えて下さい。
千本木:普段アニメをあまり見ない人でも知っている、特別なイメージがありますね。
内田:心に響く作品が多いですし、『甲鉄城のカバネリ』もそうですが見ていて惹き込まれますよね。
千本木:『坂道のアポロン』の文化祭でのピアノとドラムの演奏シーンは本当に感動しました。当時、部活の前などに「今週のアポロン見た?」とよく話していたんですよ。
内田:『アポロン』にも少し参加させていただきましたが、現場が優雅でした(笑)。今回の現場はそれとは違った緊張感があり、色の違いはありますがノイタミナはどれも濃い作品が多いと思います。
――では、荒木監督の印象はいかがですか?
千本木:『進撃の巨人』の印象が強かったのですが、会ってみるとすごく温厚で優しい方でした。
内田:私も『進撃の巨人』はインパクトが強くて、映画を見た後は放心状態で帰った記憶があります。でも、普段の監督ご自身の印象からは、いったい頭のどこにあんな無骨な部分があるのか不思議です。
千本木:本当にそうですよね。喋りは静かで穏やかなのに、作品はものすごく熱い。
内田:『カバネリ』の第1話の台本には、監督からのメッセージが書かれていたんですよ。こういうことは他の作品ではなかなかないです。
千本木:アフレコでも監督はこの話数でのコンセプトについて毎回熱く語ってくださるので、それに向かってどうすればいいのか考えられるのでわかりやすいです。
内田:監督の頭の中にはすごく細かいところまで全部描かれていて、いつ何を聞いてもしっかりと返してくださいます。
――カバネは「不死の怪物」という存在ですが、「不死」になりたいと思ったことはありますか?
千本木:なりたいと思ったことはないですね。知り合いがみんな死んでいくのに自分だけ生き続けなきゃいけないのは辛いじゃないですか(笑)。
内田:私もそうですね。でも、仲の良い母がもし先にいなくなってしまったら……と考えると、母に不死身になって欲しいと思ったことはあります。自分よりも大切な人に、と思っちゃいますね。
――では逆に、ご自身が「生き抜く」ために必要なものを教えて下さい。
千本木:現実的なことを言えばお金だと思いますが(笑)、漫画ですね。私は漫画がすごく好きで、読んでエネルギーを溜めたり想像を膨らませたりする大事なものです。
内田:私はハチミツですね。収録にはいつもハチミツをボトルで持っていって、直に飲んでいるんですよ(笑)。飲むと、また戦える感じになります。
――漫画やハチミツを力にして今後のアフレコも頑張ってください。ありがとうございました!
■ TVアニメ『甲鉄城のカバネリ』
【放送情報】
フジテレビ<CX>:4/7より毎週木曜 24:55~ (初回放送 4/7 24:25~)
北海道文化放送:4/10より毎週日曜 25:15~(初回放送 4/10 25:45~)
岩手めんこいテレビ<MIT>:4/7より毎週木曜 24:55~ (初回放送 4/7 24:25~)
仙台放送<OX>:4/7より毎週木曜 26:10~
秋田テレビ<AKT>:4/7より毎週木曜 25:20~
さくらんぼテレビ<SAY>:4/7より毎週木曜 24:55~ (初回放送 4/7 24:25~)
福島テレビ<FTV>:4/7より毎週木曜 25:55~
新潟総合テレビ<NST>:4/7より毎週木曜 25:45~
長野放送<NBS>: 4/19より毎週火曜 25:55~
テレビ静岡<SUT>:4/7より毎週木曜 25:35~
東海テレビ<THK>:4/7より毎週木曜 26:20~
関西テレビ<KTV>:4/7より毎週木曜 25:55~
テレビ新広島<TSS>:4/7より毎週木曜 26:00~
テレビ愛媛<EBC>:4/7より毎週木曜 25:00~
テレビ西日本<TNC>:4/7より毎週木曜 25:55~
サガテレビ<STS>:4/8より毎週金曜 24:55~
テレビ熊本<TKU>:4/7より毎週木曜 25:45~
鹿児島テレビ<KTS>:4/7より毎週木曜 26:05~
【スタッフ】
監督:荒木哲郎「DEATH NOTE」「ギルティクラウン」「進撃の巨人」
シリーズ構成/脚本:大河内一楼「プラネテス」「コードギアス」
キャラクター原案:美樹本晴彦「機動戦士ガンダム0080」「超時空要塞マクロス」
アニメーションキャラクターデザイン/総作画監督:江原康之
音楽:澤野弘之「進撃の巨人」「機動戦士ガンダムUC」
脚本:瀬古浩司
助監督:田中洋之
設定統括:笠岡淳平
仮想世界調整:三輪清宗
コンセプトアート&デザイン:森山洋
デザインワークス:形部一平
コンセプトボード:吉田史朗
プロップデザイン:常木志伸
美術デザイン:谷内優穂、曽野由大、青木薫
デザイン協力:玉川慎吾
総作画監督:丸藤広貴、浅野恭司
アクション作画監督:川野達朗、世良悠子
メインアニメーター:手塚響平
ビジュアルエフェクトアニメーター:松本幸子
美術監督:吉原俊一郎
色彩設計:橋本賢
撮影監督:山田和弘
CGディレクター:籔田修平
音響監督:三間雅文
音響効果:倉橋静男
編集:肥田文
アニメーション制作:WIT STUDIO「進撃の巨人」劇場アニメ「屍者の帝国」
【キャスト】
生駒(いこま):畠中 祐
無名(むめい):千本木彩花
菖蒲(あやめ):内田真礼
来栖(くるす):増田俊樹
逞生(たくみ):梶 裕貴
鰍(かじか):沖 佳苗
侑那(ゆきな):伊瀬茉莉也
巣刈(すかり):逢坂良太
吉備土(きびと):佐藤健輔
美馬(びば):宮野真守
【音楽情報】
■オープニング・テーマ
EGOIST「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」
■エンディング・テーマ
Aimer with chelly (EGOIST)「ninelie」
【イントロダクション】
世界中に産業革命の波が押し寄せ、近世から近代に移り変わろうとした頃、突如として不死の怪物が現れた。鋼鉄の皮膜に覆われた心臓を撃ち抜かれない限り滅びず、それに噛まれた者も一度死んだ後に蘇り人を襲うという。後にカバネと呼ばれる事になるそれらは爆発的に増殖し、全世界を覆い尽くしていった。
極東の島国である日ノ本(ひのもと)の人々は、カバネの脅威に対抗すべく各地に「駅」と呼ばれる砦を築き、その中に閉じ籠もることでなんとか生き延びていた。駅を行き来ができるのは分厚い装甲が施された装甲蒸気機関車(通称、駿城(はやじろ))のみであり、互いの駅はそれぞれの生産物を融通しあうことでなんとか生活を保っていた。
製鉄と蒸気機関の生産をなりわいとする顕金駅(あらがねえき)に暮らす蒸気鍛冶の少年、生駒(いこま)。彼はカバネを倒すために独自の武器「ツラヌキ筒(づつ)」を開発しながら、いつか自分の力を発揮できる日が来るのを待ち望んでいた。
そんなある日、前線をくぐり抜けて駿城の一つ甲鉄城(こうてつじょう)が顕金駅にやってくる。車両の清掃整備に駆りだされた生駒は、義務であるカバネ検閲を免除される不思議な少女を目撃する。
その夜、生駒が無名(むめい)と名乗る昼間の少女と再会するなか、顕金駅に駿城が暴走しながら突入してきた。乗務員は全滅し、全てカバネに変わっていたのだ!顕金駅に溢れ出るカバネたち。パニックに襲われる人々の波に逆らうようにして、生駒は走る。今度こそ逃げない、俺は、俺のツラヌキ筒でカバネを倒す!
―――こうして、本当に輝く男になるための生駒の戦いが始まるのだった。