SHE'S・井上竜馬がメジャーデビュー後初のフェスシーズンと新作の制作を通して感じたこととは

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インタビュー
2016.10.12
SHE'S・井上竜馬 撮影=風間大洋

SHE'S・井上竜馬 撮影=風間大洋

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2016年6月のメジャーデビューから、翌月には早くも2ndシングルのリリースを発表し、初の本格的夏フェス参戦へ。さらにはその2ndシングル収録曲が初のドラマOP曲に抜擢……と、はたから見ていてもかなりのスピード感で、この夏~秋にかけて濃厚な日々を送っているSHE’S。果たして渦中の彼らは何を感じどう過ごしていたのか。
その中で以前にも増して輪郭がハッキリとしてきた彼らの強みと、環境の変化がもたらした新たなスタイルへの挑戦、そしてそれらを象徴するかのような新作「Tonight / Stars」について、そしてこれからのSHE’Sは?などなど、フロントマンの井上竜馬にたっぷり語ってもらった。

――2ndシングル「Tonight / Stars」が間も無くリリースされますが、そのお話にいく前にまずは1stシングルが出てからこれまでを振り返っておこうかと。今年は夏フェスにも何本も出たりしてましたけど、率直にどうでしたか。

今までにない夏の過ごし方ではありました。フェスもそうだし、自分たちの企画で2マンツアーがあったりもしたんですけど……これまで以上に、先輩や第一線で活躍されている方たちと同じ日に共演したり、そのライブを観ることがすごく身になったし、なんだか「こんな人らと戦っていくんやな」っていう恐ろしさも感じたし(笑)。

――改めて実感として?

はい。今まではただ観ていただけだったんですけど、自分たちがメジャーデビューしてみて、その場で活躍されてる人たちを観れたっていうことで、違った感覚はありました。

――これまで観てきた、憧れてきた対象と同じステージに立つということは、ある意味同じ立場になったともいえますからね。

そうですね、観にきてる人からしたら一緒ですもんね。うん。

――そこから見た景色は違いましたか。

違いましたね。やっぱり、ライブハウスには自分たちのことを好きで来てくれると思うんですけど、フェスの場合よく知らなくても「名前聞いたことあるし気になるから見てみよう」っていう人たちがたぶん多くて。そこに対してアピールして観てもらうためには、普段と違うライブにもなるし。そこを経験できてよかったなと思いました。

――今後に向けて得たことや意識の変化はありました?

なんかこう……自分たちのやりたいライブ像というものが今までもあったことはあったんですけど、そこまで明確ではなかったし、細かい雰囲気とかまでは考えてなかったと思うんですよね、全員が。でもそれがいろんな人のライブを観たことで「こう動いたら観客はこう応えてくれる」とか、ちょっとずつ自分たちなりの持っていき方を学んだというか。それによって、「こういうライブがしたい」っていう形が前より見えてきた気はしますね。

――ピントが合ってきたみたいな感じですか。

ちょっと合ってきてる気はしますね、自分たちの中で。特にフェスがあってからは。

――そのSHE’Sがやりたいライブって、言語化するとしたらどんなものなんでしょう。

めっちゃ極端に言うと、ライブって「楽しい/楽しませる」か、そうじゃなくて自分たちの世界観を「見せる」か……そういうバンドもいるじゃないですか、盛り上がることを目的としていないタイプの。これまでは、その2つが極端にしか分かれていなくて、自分たちは「どっちかっていうと楽しい側じゃない?」くらいの認識だったんですけど、その中においても僕らは別に踊らせたいワケじゃないし、みんな手を挙げよう!とかそういうワケでもなく。そこまで突き詰めて考えてもいなかったんですけど、それが、フェスでの僕の発言によってお客さんが動いてくれたりとか……こっちも向こうもテンションが上がってる環境だからライブハウスとは感じ方も違うし、反応の返ってき方も違うんだっていうことが分かって。だったらやりたい方向に振り切ろうというか、行くときはめっちゃ「俺、普段こんなん言わんのにな」みたいな声のかけ方をしたりとか、逆に引くときはスッと引いてみたりとか。そうしたら、ちゃんと聴かせたい曲では僕が言わなくても身振りや雰囲気だけで、さっきまでめっちゃ盛り上がってた人たちがちゃんと聴いてくれてたりして、曲ごとや場の雰囲気で変えていけるんやなっていうことが分かった。今はその精度をもっと上げたいというか。

――基本は楽しい/楽しめるライブでありながら、見せたい曲もあって、煽りたい曲もあって……みたいな押し引きができるのが理想だと。

そうですね。(今まで)煽動していくっていうことがあまり無かったんで。なんか……自由っていうものがある上での、提示? 何をして楽しんでくれても良いんですけど、そこで「こういうの、してみる?」みたいな提示は必要なんかもなっていう風に思いました。

SHE'S・井上竜馬 撮影=風間大洋

SHE'S・井上竜馬 撮影=風間大洋

――他にこの期間で感じたことはありますか。何せ相当濃い数ヶ月だったと思うんですよ。

濃いっすね……濃いですよ。言葉で表そうにも色々ありすぎるくらい濃い(笑)。でも、思っていたよりも大きくは変わっていないんだと思います、本質的な部分は。俺らのやることに関わる人がすごく増えて応援してくれる人も増えて、一緒のチームでやっていくっていう部分では変わったんですけど……レコーディングのスタッフや陣容も変わったけど、結局はみんな良い作品を作ろう、良いライブをしようっていうベクトルに必死やし、そこはむしろ強固になってるから、やりやすいというか、集中してできるようにもなったかな。……でも、そう考えると変わったのかもしれないですね。外から見たらあまり変わってないかもしれないし、僕も変わってないって思ってたんですけど、音楽制作とかに集中できるっていう環境が整ったっていう部分は大きいですね。

――井上くん自身や他のメンバーと、新しく周りで関わってくれるようになったスタッフたち、お互いが違和感なく同じ方向を向けている感覚ですか。

その感覚はあります。でも、僕らの中からなんとなく出てきた“SHE’S感”、そことは違う方向に持ってきてくれる場合もあって。「Tonight」がまさにそうやったんですけど、それは無理やりとかいう意味じゃなくて、自然にSHE’Sの良いところを残しつつ違う方向に誘導してくれたっていう感覚なのかな。制作に関しては、やれる幅を広げたいっていう僕の思いも汲んでくれているので。で、曲をいっぱい作って持っていったときなんかも「これはなんか違うかもな」って思ってた曲に対して「これはSHE’Sでやらなくていいんじゃない」って言われたりっていう一致もあって。

――ああ、そこはちゃんと分かってくれてて。

別に試したわけじゃないんですけど(笑)。だから、合致している部分は大きいんじゃないかなと思います。

――そのSHE’S感……立体的な奥行きがあってちょっと洋楽みたいな要素だと思うんですが、そこと一味違うのが「Tonight」だなと感じながら聴いていたんですけど、今ちょうどそのお話が出ました。僕は出だしの低いキーの歌声からもうハッとして。

へへへ(笑)。

――で、全体的にゆったりしっとりした曲の中に、言葉数としては結構しっかりと入っているじゃないですか。そこも新しいなぁと思うんですが、この曲はどんな風に生まれたんでしょう。

まず2ndシングルはピアノを前面に押し出したバラード曲を書こう!ということになっていて、最初はそれこそ今思えばなんの面白みもなく、従来のSHE’Sのバラードっぽい曲を提出してたんです。で、ディレクターと話してたら「こういう曲じゃなくて、終電くらいの揺れる電車内で窓にもたれかかってあの娘のことを思い出す情景の曲」って言われて。

――(笑)。

でもなんだかそれがしっくりきて。分かりやすかったというか。それでこの曲を作っていったんですけど、途中でもう、これは思っている以上にSHE’Sじゃない雰囲気になりそうだから、メロディでなんとか持っていこうと思って……というのも、淡々と続いていく感じの曲をやったことが無かったんです。これまでずっとドラマティックにしたいっていう意図のもとに制作をしてきたので。だから制作の段階でも構成だったり展開を迷いながら作ってたんですけど、こう淡々と続いていくエモーショナルさみたいなものもアリだなと思えて。それに、こんなに言葉を入れるっていうのもほとんどしてこなくて、結構大きい波のメロディラインでやってきてたんですけど、言葉が増えたことで、今まで伝わりきらへんかなって思っていた部分をちゃんと補えて、しっかり描写もできるようになったので、完成したときは気持ちよかったですね。

――淡々と進んで行く曲だからこそ、いっぱい言葉が入っていても鬱陶しくならないのかもしれないですよね。ドラマティックな曲調にこれだけの言葉が入っていたら、多分……

そうですね。「まだ来る?まだ来る?」みたいな(笑)。

――もうひとつ気になっていたのは、今回の両A面のもう一曲、「Stars」なんですけど、これ最初は別の曲が入る予定と聞いてたんですよ。まぁ、書けるかギリギリの話なんですけど(笑)。

(笑)。そうそう。「なんですか?」「前からこうでしたけど」みたいな顔して変わってましたよね(笑)。

――しかもタイアップまでついてて。ということは、この曲は後からできてきたわけですよね。

そうですね。まずタイアップが決まりそうだか、決まったって言われたんかな? そのための曲を書いてくださいっていうところから始まって。そこから制作に入って急ピッチで録って発表しました。

――こっちはさっきから話に出てくるSHE’S感的な要素が表面に出てて。

ですね。短いタームでの制作だったし、エネルギッシュな曲をっていう大まかなオーダーもあったりしたので、アップテンポでエネルギーがある曲を、ドラマの主題歌としてどんな風に流れるのかも想像しながら書いていきましたね。

――そのオーダーの方向性や制作期間のタイトさっていう要素があったことで、かえってSHE’Sらしさの純度が高い楽曲になっている気がするんですが。

めちゃくちゃシンプルなことしかしていないので、メロディラインはすごくわかりやすいし、僕らの武器としいてるメロディの感覚も一番出せたというか。……そういう今まで通りの要素もありつつ、「Stars」=星をイメージしながらドラマの内容ともかけ離れすぎないみたいな、バランスが絶妙になるように考えてたんですけど、サウンド面や構成、アレンジに関しては派手なことをしないようにしました。もうメロコアくらいのシプルさを出すつもりで曲を書いてたので。今までもこれからもやっていきたいSHE’Sのひとつの形っていう感覚ですね。

――結果として新境地の曲と、今までのらしさを突き詰めた曲が表題曲になったということは、既存のファンにとっても、今作から入るリスナーにとっての入り口としても良いことかもしれないですね。……ちなみに、「Stars」と入れ替わった幻の2曲目は世に出ることはあるんですか。

今後の作品に収録したいと思ってます。

――良かった、僕あの曲好きだったので。

いや、僕も好きなんですよ(笑)。結構気に入ってたので、(今作に収録されなくて)寂しかったんですけど、今後きっと聴けるはずです。

――かなり大人っぽい曲で、ダニエル・パウターみたいな装いの。

まさに。ダニエル・パウターとか、そういう米国の……

――向こうのシティポップ風というか。

そうそう。そういう音楽をSHE’Sがやったらどうなんねやろ?っていうアイデアから作ったら、結構楽しいことになりましたね。

――読者の方には、そういう曲が今後世に出てくるかも……ということだけ記憶に留めていただいて、話を戻しますが。表題の2曲とも夜の曲になっているのは、これは狙ってそうしました?

意図的です。「Morning Glow」の後に出るので、朝があって、夜があって……なんか、どっちかしか聴けないバンドではありたくないなとも思って。バンドの色って偏りがちだと思うんですけど、幅の広さっていう意味でいろんなことやりたいし、それができるバンドでありたいから、あえてこういう形でシングルを差別化したというか。ジャケットの色味も全部そうなんですけど。

――ああ、確かに前作とは対照的で。こう異なる面を見られるとなると、今後はアルバムなんかも楽しみになってきますけど。

そうですねぇ。僕らもメジャーデビューしてからまだ3曲しかライブのセットリスト的には増えていないので。やっぱりね、いろんな曲を織り交ぜてやっていきたいっていう気持ちはありながらも、どんどん新しく生まれてくる曲の方が良いなって思っちゃうんですよね、自分の中で。だからどんどん昔の曲をやらなくなって、セットリストもあまり動かなくなってしまうっていう。

――曲数がいっぱいプールされていたほうが、そのときの場とかテンションにあわせてチョイスできますし。でもやっぱり、前の曲はあまりやらなくなっちゃうものなんですね?

うーん、別に嫌いなわけでもやりたくないワケでもないんですけど、「この曲やるならこっちかな」とか思っちゃいますね。

――この間、ウィーザーのリヴァース・クオモとお話したんですけど、同じようなこと言ってました。

ほんまっすか!

――ウィーザーで20年も同じ曲やらなきゃいけないのがちょっとなぁ……って。

はっはっは(笑)。僕らは(昔の曲)めちゃめちゃ聴きたいんですけどねぇ。

――だからね、ファンは昔の曲も聴きたかったりしますよ?っていうことです(笑)。でも曲が増えれば、新しい曲をメインでやりながら、たまに懐かしい曲が入ってくる、みたいな楽しさも出てきますからね。

そうなんですよ。それがやりたいですね。例えばアルバムのツアーで、昔の、1枚目の曲を入れてみたりだとか、そういう部分でもいろんな色と楽しさを出していけたらいいなと思います。


取材・文・撮影=風間大洋

SHE'S・井上竜馬 撮影=風間大洋

SHE'S・井上竜馬 撮影=風間大洋

リリース情報
2nd Single「Tonight / Stars」
10月19日発売

 

シングル(CD+DVD)
¥1,836(税込)初回生産限定盤1形態
品番:TYCT-39047
 
■CD収録内容■
1.「Tonight」
2.「Stars」※MBS / TBSドラマ『拝啓、民泊様。オープニングテーマ
3.「Isolation」

■DVD収録内容■
Document”The Everglow -chapter.1-” ※2016年7月に行われた東名阪クアトロ対バンツアーのドキュメント映像を収録!
「Tonight / Stars」iTunesプレオーダー
URL:http://po.st/tonightit

<CD購入特典 詳細>
10月19日発売「Tonight / Stars」商品に応募券を封入します。
 A賞:ご応募頂いた方の中から抽選で各会場150名様を下記スペシャル・アコースティックライブにご招待致します。
 B賞:ご応募頂いた方の中から抽選で50名様に直筆サイン入りポスターをプレゼント致します。
「Morning Glow」に続き「Tonight」もDVD付初回限定盤のみのリリースです。お早めにご予約ください!
 
【A賞】
スペシャル・アコースティックライブ ※各会場150名様 ご招待
【東京会場】
2016年11月23日(祝・水)
OPEN 13:00 / START 13:30 
 
【大阪会場】
2016年11月26日(土)
OPEN 13:00 / START 13:30
 
【応募締切】
2016年10月24日(月)消印有効
※ライブ会場はご当選者にのみご案内致します。
※応募詳細は商品封入内のチラシをご覧ください。
※各会場、入場時にドリンク代500円を頂きますのでご了承ください。
 
【B賞】
直筆サイン入りポスター ※50名様へプレゼント

 

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