特別展『江戸のスポーツと東京オリンピック』が、東京都江戸東京博物館で開催

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2019.5.30
「極暑あそび」 歌川豊国(三代)/画  1852年(嘉永5)  早稲田大学演劇博物館蔵  [展示期間:7月6日(土)~28日(日)] 

「極暑あそび」 歌川豊国(三代)/画  1852年(嘉永5)  早稲田大学演劇博物館蔵  [展示期間:7月6日(土)~28日(日)] 

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TOKYO2020 公認プログラム特別展『江戸のスポーツと東京オリンピック』が、2019年7月6日(土)~8月25日(日)まで、東京都江戸東京博物館にて開催される。

2020年、東京で2度目となるオリンピック・パラリンピックが開かれる。東京都江戸東京博物館では、まさにその1年前となる2019年に日本におけるスポーツとオリンピックの歴史を紐解く展覧会を開催する。

本展覧会では、日本における「スポーツ」前史に着目し、まず江戸時代の人々がどのような運動や競技を行い、あるいは見物して楽しんだのか、絵画や道具類などの資料によって紹介した上で、その後、近代以降に西洋からもたらされたスポーツをどのように受容し、親しんでいったのかを振り返る。

さらに、スポーツの祭典であるオリンピックへの出場・開催を目指した人々の栄光と挫折、そして悲願となった1964年東京オリンピック・パラリンピック開催までの歴史を展観し、来る東京2020大会を盛り上げていく。

第1章 江戸の「スポーツ」事情

「流鏑馬絵巻」(部分) 狩野與信(春貞)/画 江戸時代後期 東京都江戸東京博物館蔵

「流鏑馬絵巻」(部分) 狩野與信(春貞)/画 江戸時代後期 東京都江戸東京博物館蔵

江戸時代には、近代における「スポーツ」とは少し異なる、様々な運動や競技が行われていた。例えば武士は必要な技術として馬術や弓術、剣術などを学び、時にそれらの競技が観覧の対象として楽しまれることもあった。一方、庶民に目を向けると、大相撲の興行は人気を集め、人気力士を描いた錦絵なども数多く出版されたほか、寺社の境内や盛り場では、力石を持ち上げ筋力を競い合ったり、弓矢を用いた「楊弓」で楽しんだりといったことも行われていた。また、かつて宮廷行事として親しまれた蹴鞠は、江戸時代には町人の間にも愛好者が生まれ、その鍛錬の成果が将軍の上覧となることもあった。

「小野川 谷風 引分の図」 勝川春英/画 1791年(寛政3)頃 東京都江戸東京博物館蔵

「小野川 谷風 引分の図」 勝川春英/画 1791年(寛政3)頃 東京都江戸東京博物館蔵

本章では、そうした江戸の「スポーツ」事情を、絵画や実際の競技に使われた資料などから紹介する。

第2章 近代スポーツと東京

『戸外遊戯法』 坪井玄道、田中盛業/編 1885年(明治18) 東京都江戸東京博物館蔵

『戸外遊戯法』 坪井玄道、田中盛業/編 1885年(明治18) 東京都江戸東京博物館蔵

明治に入ると、西洋の様々なスポーツが紹介され、人々の関心を集めた。最初は物珍しさから見世物になることもあったが、欧化を進める国の後押しもあって、スポーツは学校教育などに取り入れられ、広まっていった。

「西洋スパラ術 外国ヨリ来ルスパラ」 1887年(明治20) 国立歴史民俗博物館蔵 [展示期間:7月6日(土)~28日(日)]

「西洋スパラ術 外国ヨリ来ルスパラ」 1887年(明治20) 国立歴史民俗博物館蔵 [展示期間:7月6日(土)~28日(日)] 

本章では、近代スポーツ受容への道のりと、明治から大正期にかけて日本に普及し、楽しまれるようになった野球やサッカー、テニスといった多様なスポーツの流行を紹介します。

第3章 オリンピックへの道

三島弥彦ユニフォーム(陸上) 三島弥彦/使用 1912年(明治45) 秩父宮記念スポーツ博物館蔵

三島弥彦ユニフォーム(陸上) 三島弥彦/使用 1912年(明治45) 秩父宮記念スポーツ博物館蔵

1912年(明治45)に開催された第5回ストックホルム大会で、日本はオリンピック初出場を果たす。参加した金栗四三と三島弥彦は、メダルにこそ届かなかったものの、国際大会への出場という道を切り開き、その後のスポーツ普及にも大きな足跡を残した。

第12回オリンピック東京大会記念手旗 1936年(昭和11)頃 東京都江戸東京博物館蔵

第12回オリンピック東京大会記念手旗 1936年(昭和11)頃 東京都江戸東京博物館蔵

以降のオリンピックには日本選手の出場が続き、テニスの熊谷一弥、柏尾誠一郎や陸上の織田幹雄、人見絹枝らメダリストも生まれた。そしてついに1940年(昭和15)に東京オリンピックが開催されることが決まるが、日中戦争の開戦と国際関係の悪化から中止となり、スポーツ自体も実施が難しくなるものが増えていく。

本章では、オリンピックに参加し活躍した競技者たちの栄光と、1940年東京オリンピック招致から返上にいたる挫折の歴史を展観する。

第4章 1964年東京オリンピック・パラリンピック

「1964年東京オリンピック記録カラー映像」 師岡宏次、東京エイト/撮影 1964年(昭和39) 東京都江戸東京博物館蔵

「1964年東京オリンピック記録カラー映像」 師岡宏次、東京エイト/撮影 1964年(昭和39) 東京都江戸東京博物館蔵

終戦後、日本はGHQによる間接統治下に入り、1948年(昭和23)開催のロンドンオリンピックでも参加が認められないなど、スポーツ界の苦難は続く。しかし、そんな中で事実上の世界記録を出した水泳の古橋廣之進らの活躍は、未だ復興途上にあった日本人を大いに勇気付けた。

日本代表選手公式ユニフォーム 1964年(昭和39) 東京都江戸東京博物館蔵

日本代表選手公式ユニフォーム 1964年(昭和39) 東京都江戸東京博物館蔵

やがて日本は復興から高度経済成長の時期へと移り、その成果を内外に示すべく、オリンピックが再び招致され、1964年(昭和39)ついに東京オリンピック・パラリンピックが開催される。

本章では、スポーツ界における戦後復興のあゆみを示すとともに、その結実点となった1964年東京オリンピック・パラリンピックについて資料や映像とともに振り返る。

イベント情報

特別展『江戸のスポーツと東京オリンピック』
会期:2019年7月6日(土)~8月25日(日)
会場:東京都江戸東京博物館1階特別展示室(東京都墨田区横網1丁目4番1号)
開館時間:午前9時30分~午後5時30分
【土曜日は午後7時30分まで、7月19日・26日、8月2日・9日・16日・23日
(各金曜日)は午後9時まで】
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし7月15日、8月12日は開館)、7月16日(火)
※会期中に一部展示品の入れ替えがあります。
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