れん、1年振りのツアー国内ファイナル満員のZepp公演でみせた着実な成長とさらなる可能性

レポート
音楽
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れん

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『れんONEMAN LIVE TOUR 2026-懸想歌-』2026.07.20(mon) Zepp DiverCity

今日は7月20日、およそ1年振りのツアー『れんONEMAN LIVE TOUR 2026-懸想歌-』の国内ファイナル公演で、久しぶりにれんに会える日だ。(会場は昨年よりぐっと大きくなってZepp DiverCity、はソールドアウト。客席を見れば一目瞭然、「誰かにそっと寄り添う」れんの音楽はゆっくりと着実に、様々な年齢層のリスナーの心をとらえ始めている。

静まり返った暗闇の中へ、鮮烈なアコースティックギターのストロークと、独特の震えるビブラートが響き渡る。そのまま力強いバンド演奏へ繋げて1曲目「一縷」を歌い上げると、一気にテンポを上げて「一切合切」へ。「ファイナル東京、楽しむ準備はできてますか!」と叫ぶ本人が楽しむ気満々、会場いっぱいのクラップと手振りを束ねてリズムに乗せ、「bathroom」ではギターソロとボーカルのフェイクの掛け合いで盛り上げる。れんの歌声の特徴は圧倒的パワー、繊細なビブラート、そして自由奔放なフェイク。シンガーでありつつボイスパフォーマー、その真価はライブでこそ発揮される。

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「シンガーソングライター、れんです。この日をれんのために使ってくれてありがとうございます。最高の日にすることを約束するので、何も気にせず、人それぞれの楽しみ方をしてください」

キャラは明るくフレンドリー、メッセージは礼儀正しく真面目。ダンスビートのトラックと生バンド、大人びたアンニュイなムードがかっこいい「Last Parade」から、R&Bとロックを掛け合わせた「虧月」、そして「絶蝶」へ。れんの歌詞は生々しい失恋ソングを軸に、叙情的な表現とリアルな感情を折り合わせたものが多いが、サウンドもメロディアスなR&Bやソウル、ダンスミュージックと激しいロックサウンドのハイブリッドで、ライブで聴くと何倍にも迫力が増す。深夜のクラブを思わせる暗くムーディーな照明のもと、れんは黒のジャケットに黒のパンツ、しなやかな動きで自由に歩き伸び伸び歌う。

ここで意表を突くカバー曲、「スターライトパレード」(SEKAI NO OWARI)でフロアが明るい一体感に包まれた。ヴォコーダーを使った歌唱も珍しくて新鮮だ。直後のMCでは、小学校の時にこの曲を聴いて歌の世界に憧れたという逸話が明かされ、「ワンマンで歌えて感慨深いです」とひとこと。普段はあまり語られないれんのルーツや本音が聴ける、これもまたライブならではの醍醐味だ。

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ここで未公開曲を弾き語りで披露します。そう言って歌った新曲は、叩きつけるギターストローク、切なさいっぱいのメロディ、届かなかった思いを吐き出す歌詞、バラードと言いながら激しいエモーションをたっぷり詰め込んだ1曲。歌い終えて、「僕、バラードを書かせたら未練タラタラの曲ばかりなんですよ」と笑うれん。自分でも驚くような発見があるというから、れんは曲を作りながら自分をみつけていくタイプのシンガーソングライターなんだろう。続いて披露した「乱気」は、アニメ『東京リベンジャーズUNLIMITED』に登場するチーム「横浜天竺」のテーマソングで、チームリーダー・黒川イザナに捧げる1曲。キャラの心の中にある弱さと葛藤に焦点を合わせた歌詞と、ポップでダンサブルな広がりを持つ曲調のバランスがいい。

ここからはダークで感情を揺さぶる曲をノンストップで畳みかける、いわばライブの最深部。ドラマチックなピアノが導く「正論さん」、叫ぶように歌うサビの激情が印象的な「FLASH BACK」、頼れるバンドメンバーを紹介したあと、真っ赤な照明、暗くうねるラテンビートが強烈な音圧で迫り来る「ゆらせ」。れんの歌声の一番おいしいところ、ハイトーンを出し切って叫びに変わる寸前の激情がたっぷり聴ける、これもまたライブでこそ体感したい曲の一つだ。

抒情派ピアノに導かれたダンサブルでエモーショナルなダンスビート「最低」で共に揺れ、どっしり重厚なバラード「でも、」にしっかり聴き入る。女性中心のファン層には、れんの書く未練と切なさとノスタルジーが一体となった恋愛バラードは、他人事には聴こえないんだろう。大人しいというより大人らしい、じっくり聴いてしっかり受け止めるタイプのファンがここにはたくさんいると感じる。

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「時間が経つのが早い! どうしよう。アカペラで何か歌おうか。歌ってほしい曲ありますか?」

曲数が残りわずかなことに気づき、慌てたれんが突然思いついたリクエストコーナー。ファンの声に応えて「泡沫雪」と「嫌いになれない」をワンコーラス歌う、歌詞もばっちり、音程もぴったり、そしてとっさに照明を変えてくれたスタッフへの感謝の言葉も忘れない。さらに客席に向かい「どこから来たの?」と話しかけたり、カップルを見つけて「どっちがれんのファン?」と根掘り葉掘り聞きだしたり、歌っている時の緊張度の高い姿とは真逆の、ざっくばらんな親しみやすさがれんの魅力。さらに、Aぇ!groupへ楽曲提供した『哀結び』のセルフカバーは、淡々としたループの中にしっとり万感込めて、「雪庇」もスローテンポの穏やかな曲の中に、はみだしそうな激情を隠して。2曲続けて繊細な歌の表現をじっくり聴かせると、残すはいよいよ1曲。

「僕は小中高とサッカーしかやっていなくて、コロナ禍で部活ができなくなって、そこから音楽を始めて、SNSに投稿するようになったのが、僕が今ここに立っているきっかけです」

ワンマンライブだから僕の気持ちを伝えさせてください。そう前置きして語り始めたれんの音楽人生は、奇跡の連鎖だった。高校サッカー時代の「トレセン」で、友達のいない自分を音楽が励ましてくれたこと。ギターを手にしたこと、曲を作り始めたこと、こうしてみなさんと会えたこと。自分には音楽しか作れないし、今がすごく幸せなこと。「僕に音楽をさせてくれてありがとうございます」という言葉がまっすぐに届く。最後の1曲「懸想歌」を歌う声がまっすぐに響く。れんの歌からは、これまでの人生のあれこれが自然ににじみ出る。だから強い。だから濃い。

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そしてアンコール。突然客席への扉を開けて登場したれんが、「bubble days」を歌いながら、ハイタッチを交わしながら客席を練り歩く。しかも撮影OKという嬉しいサプライズにファンは大喜び、曲のラストを飾るシンガロングにも気持ちがこもる。そしてもう1曲、明るく楽しく朗らかに「淡色の幸せ」を共に歌って、全19曲(+2アカペラ)を披露したツアーファイナルは大団円を迎えた。最後の曲を歌い終えた瞬間、あらかじめ配られた「ありがとう、愛してる」と書かれたメッセージスローガンをれんに向けて掲げる、逆サプライズもばっちり決まった。れんが「また会いましょう!」と笑顔で手を振る。終わった瞬間から、誰もがもう次のライブを楽しみにしている。

このあと、9月12日に海外ツアーファイナルの台北公演を行い、『れんONEMAN LIVE TOUR 2026-懸想歌-』は幕を下ろす。「乱気」「bubble days」「懸想歌」など新しい楽曲中心のセットリストは、進化し続けるれんの世界を感じさせてくれた。広くなった会場は、この先の目標を垣間見せてくれた。そして何より、エモーションたっぷりのバンドサウンドをバックに、堂々たるパフォーマンスが印象に残った。れんはまだ成長期の真っただ中だ。


取材・文=宮本英夫 撮影=Kana Tarumi

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リリース情報

Major 6th Digital Single「乱気」
2026年6月24日(水)リリース
東京リベンジャーズUNLIMITED「横浜天竺」テーマソング

ライブ情報

れん ONEMAN LIVE 2026 -懸想歌- in Taipei
2026年9月12日(土)Legacy TERA
・申し込みはこちらから
https://offtimemusic.kktix.cc/events/ren2026
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