中村倫也、1人7役での主演に「あまり類を観ない邦画になる」 映画『水曜日が消えた』が2020年に公開へ
『水曜日が消えた』中村倫也 (C)2020『水曜日が消えた』製作委員会
中村倫也主演の映画『水曜日が消えた』が2020年に公開されることが決定した。
『水曜日が消えた』は、1人の人間の内側で、7人の“僕”が曜日ごとに入れ替わる主人公の物語。“僕”は他の“曜日”とは直接会うことはできず、日記を通してのみ間接的に互いを知っている。映画は、7人の僕の中で最も地味でつまらない通称「火曜日」の視点を通して展開。主演の中村は、1人7役で“僕”を演じている。
『水曜日が消えた』 (C)2020『水曜日が消えた』製作委員会
メガホンをとった吉野耕平監督は、広告のプランナー・コピーライターを経て映像作家として独立し、映画『君の名は。』にCGクリエイターとして参加。これまでに、日本映画の次世代を担う映画監督を発掘・育成する『若手映画作家育成プロジェクト(New Directions in Japanese Cinema=ndjc)』の2014年度作品として製作された、三浦貴大・でんでん共演の短編映画『エンドローラーズ』などでメガホンをとっている。長編映画デビュー作となる『水曜日が消えた』では、監督のほかに脚本・VFXも自らが担当。なお、本作の撮影は2019年5月下旬から福島県いわき市で行われた。
中村と吉野監督のコメントは以下のとおり。
中村倫也
完成した画が予想できない脚本でした。また自分が7役演じることも「やっかいだなあ〜」と。笑
でもだからこそ、あまり類を観ない邦画になる期待感を抱きましたし、いくらでも大ごとにできる出来事をあくまで日常として描いていくささやかさに好感を持ちました。
ザラッとした、じんわりと温かい手触りを残せる作品になっていると思います。ご期待ください。
吉野耕平(監督・脚本・VFX)
吉野耕平監督
――企画の発想について。
もしも自分の中に複数の人格があって…その中でも、つまらない“脇役”だったとしたら世界はどう見えるだろうか。ふと考えたそんな小さな空想からこの物語は始まりました。
曜日ごとに入れ替わる7つの人格。そのうちの一人の目を通して世界を見たとき、何が見えるだろうか。
何に出会うだろうか。
そんな自分だけの小さな空想を楽しんでいるうちに、現実の世界でいくつかの出会いと出来事があり、幸運にもその小さな空想が映画として形になる機会を頂く事になりました。
一人だけの自由でフワフワした空想が現実の世界で作品として形になる過程はスリリングで、その中で選んだもの、選ばなかったもの、色々なものがありました。
でも、振り返れば大事なものだけはギュッと絞られ、きちんと全部残せたように思います。
今はそれをきちんと磨いて届けるまでの残りの日々を、大切に楽しみたいと思っています。
――撮影を終えて観客へのメッセージ。
目が覚めたらいつも火曜日の男。
彼の目を通して世界を見たとき、見慣れたはずの日常が違って見えてくるかもしれません。
そして、そこに隠れていた大事なものに気づくかもしれません。
架空の物語が、時々現実の見方を変えてくれる、そんな瞬間が好きです。
多くの方々の才能と力、そしていくつかの縁と偶然で生まれたこの作品が、誰かにとってそんな一本になってくれれば…と、強く願っています。
『水曜日が消えた』は2020年全国公開。