ドラマ『階段下のゴッホ』を通して展開された“ドラマ×音楽×アート”──ゆうらん船・内村イタル×ROTH BART BARON・三船雅也×絵画担当・木村美和×小牧桜プロデューサーの座談会を独占掲載!

インタビュー
音楽
アート
2022.10.21
演出・プロデュース担当・小牧桜/ROTH BART BARON・三船雅也/絵画担当・木村美和/ゆうらん船・内村イタル

演出・プロデュース担当・小牧桜/ROTH BART BARON・三船雅也/絵画担当・木村美和/ゆうらん船・内村イタル

■あまり気負わずやることで、自由なクリエイティブにつながる(内村)

――ドラマ「階段下のゴッホ」の公式HPには、「“好き”を見つけるのも、“好き”で一番になるのも難しい。けれど“好き”を続けることが、何より難しく、誰より美しい」という文があります。音楽、絵画、ドラマを制作していくなかで、“好き”を継続するために意識していることはありますか?

小牧:すごい質問がきましたね。内村さん、どうですか?

内村:(笑)。難しいですね……。フラットに聴きたいものを聴いて、やりたいことをやるというか。心地いい状態のなかで、その感覚を掴むようにしてるかも。バンドも楽しくやることが大事だし、あまり気負わずやることで、自由なクリエイティブにつながるのかなと。

三船:音楽や作ることはずっと好きだし、維持しようと思ったことはないかも。ただ、壁にぶつかったときはギターを弾かないようにしてます。以前、書いても書いてもダメという状態になったことがあって。あえて得意じゃないピアノを弾いたり、ロシアを放浪したり、ジタバタしているうちに直りました(笑)。あとは、音楽をやっていると今日みたいにいろんな人と繋がれることも大きくて。ジャンルは違っても「こんなに素敵なものを作ってる人がいるんだ」という出会いがあると「負けてられない」と思うし、感動がエナジーになるんですよ。

木村:私も毎日のように壁にぶち当たってるし、毎日「もう辞めたい」と思ってます(笑)。でも、結局は絵が好きなんですよ。たとえばディズニーランドに行ったり、友達と遊んだりするのも楽しいですけど、絵を描いているとそれとはまったく違う興奮があるんです。そのときのゾワッとするような感覚は絵以外では味わえないし、やめられないですね。

小牧:みなさん、素晴らしいですね。私は好きだけではなく、ずっと嫌いでもあるというか。そこまで追い詰められたり、上手くいかなくてイライラすることは、日常のなかにはそんなにない気がして。それでも続けているということは、結局好きなんだろうなと思ったりもします。

――ネガティブな側面も大事なのかも。

小牧:制作に入ると、壁打ちノックしているような状態なんですよ(笑)。『階段下のゴッホ』は“絵は言葉のない手紙”と“好き”という言葉からスタートしたんですが、その後は「それってどういうことだろう?」「何でこんなことやってるんだろう?」という感じでした。もちろん楽しい瞬間もあるんですけど。

三船:物事をちゃんと嫌いになるって、誠実ですよね。

小牧:そうだといいんですが(笑)。言い方はよくないですけど、マゾの集まりですよ(笑)。

木村:ほんとですよね(笑)。

内村:あははは。

三船:しかも本人は気づいてないからタチが悪い(笑)。

――いえいえ、表現に向き合う真摯な姿勢が伝ってきました。「階段下のゴッホ」の今後も楽しみです。

小牧:第6話くらいから、話が大きく展開し始めるんですよ。「ごゆるりとお楽しみください」という感じではじまったんですが、そうではなくなってくるというか。テーマ曲に例えると、「春」のリズムに乗って心地よく広がってきたストーリーが、「赤と青」みたいに人と人がぶつかり合って。最終的にはすべてブレンドされていくはずなので、ぜひ楽しみにしていてください。

取材・文=森朋之 撮影=高田梓

イベント情報

「ROTH BART BARON × ゆうらん船 ×「階段下のゴッホ」- Dear Van Gogh, my own art. –」
2022年11月1日(火) 東京キネマ倶楽部
OPEN:18:45 / START:19:15
 
■出演者
ゆうらん船 / ROTH BART BARON 他 後日発表
 

全自由 5,000円(税込) / 2F指定席 5,500円(税込)

放送・配信情報

ドラマストリーム『階段下のゴッホ』
【放送・配信日時】
毎週火曜深夜24:58~25:28
毎週1週間先行有料配信:「Paravi」「U-NEXT」にて毎週火曜正午に先行配信中
(地上波放送後、「TVer」「TBS FREE」「GYAO!」「Yahoo!」にて無料1週間見逃し配信)
 
【スタッフ】
製作 『階段下のゴッホ』製作委員会
脚本 加藤法子
劇中メインテーマ 小瀬村 晶
オープニングテーマ ゆうらん船「春」(O.O.C Records)
エンディングテーマ ROTH BART BARON「赤と青」(SPACE SHOWER MUSIC / BEAR BASE)
演出・プロデューサー 小牧 桜
協力プロデューサー 佐井大紀
配信プロデューサー 大原拓真、近藤貴明
 
【出演者】
鏑木 都:SUMIRE
平 真太郎:神尾楓珠
源 洋二:朝井大智
夏目 きいろ:田辺桃子
?:倉悠貴
高尾 ハナ:石川瑠華
栗林 一人:高橋 侃
早川 草介:秋谷郁甫
芦屋 博康:田中隆三
綿貫 明世:美波
綿貫 豊:利重 剛
ほか
 
■「階段下のゴッホ」あらすじ
大手化粧品メーカーに勤め、人望が厚く働き盛りの30歳、年収1000万円超えの“高収入女子”である主人公の鏑木都(SUMIRE)は、とある絵画との出会いから画家になるという夢を叶えるべく、働きながら東京藝術大学を目指すことに。“仕事と夢の両立”という無謀な挑戦に意を決した都が入学した美術予備校で出会ったのは“ザ・才能の塊”である6歳下の平真太郎(神尾楓珠)。圧倒的な“才能”格差があり、次元が違いすぎる世界で生きる彼の作品に驚愕する都だが、彼はなんと藝大を目指し六浪中、さらに性格も苛烈で……!?
果たして、人は本当に“好き”や“情熱”だけで数々の格差を越え、夢や愛を掴めるのか? 自分らしく生きるために邁進し、強く逞しく夢にも仕事にも向き合い進んでいく都を通して、生きやすいようで生きにくい令和の時代を闊歩する女性たちにエールを送る本作。『階段下のゴッホ』は、自分のやりたいことや信じたこと、夢を諦めない現代人に送るドラマである!

アーティスト情報

ROTH BART BARON website
https://www.rothbartbaron.com/
 
ゆうらん船 website
https://www.yuransen-band.com/
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