中村獅童・寺島しのぶの『文七元結物語』、松本白鸚・市川染五郎の『二條城の清正』、尾上松緑の『太刀盗人』がテレビ初放送
CS放送「衛星劇場」では、毎日平日午後4時から歌舞伎を放送している。2026年9月は『文七元結物語』(2023年10月)、『二條城の清正 淀川御座船の場』(2023年9月)、『太刀盗人』(2021年10月)をテレビ初放送する。
『文七元結物語』は、山田洋次監督が歌舞伎座で初演出を務めた笑いあり涙ありの人情噺。左官長兵衛を中村獅童、長兵衛女房お兼を寺島しのぶが、それぞれ初役で勤めた。
『文七元結物語』
左官の長兵衛は腕の立つ職人だが、大の博打好きで貧乏暮らし、女房のお兼とは喧嘩が絶えない。そんな家の苦境を見かねた娘のお久は、吉原に身を売ることを決意。この孝心に胸を打たれた角海老の女将お駒は、お久のためにも心を入れ替えるように諭し、長兵衛に50両の金を貸し与える。娘の思いとお駒の情けにすっかり目が覚めた長兵衛だったが、その帰り道、身投げをしようとしている若者、文七と出会うと…。山田洋次の新たな構想により脚本・演出を一新。歌舞伎の古典作品とはまた違った魅力を放つ、『文七元結物語』が誕生。江戸市井に生きる人々の心の機微を丹念に描き出す心温まる物語。
『二條城の清正』は、松本白鸚が加藤清正、市川染五郎が豊臣秀頼を勤めた。平成28年1月の歌舞伎座公演以来約7年ぶりに、再び同じ役での共演となった二人。放送されるのは、豊臣家の取り潰しをもくろむ徳川家康からもちかけられた二條城での対面を無事に終えた帰途の船上の様子を描く、「淀川御座船の場」。
『二條城の清正 淀川御座船の場』
加藤清正はかつての主君、豊臣秀吉への恩を忘れず、一子の秀頼に仕えている。豊臣家の取り潰しをもくろむ徳川家康からもちかけられた二條城での対面を無事に終えた帰途の船上、清正は頼もしく成長した秀頼の姿を見つめ…。初世中村吉右衛門が選定した「秀山十種」の一つである本作では、加藤清正が剛毅な姿勢と弁舌の巧みさを披露し、秀頼への深い愛情を示す誠実で魅力あふれる人物として丹念に描かれている。秀頼と清正の主従を超えた恩愛が滲む、新歌舞伎の名作。
『太刀盗人』は、物真似の滑稽味が笑いを誘う舞踊劇。悪者ながらもどこか憎めない九郎兵衛を尾上松緑が演じた。
『太刀盗人』
ここは都の新市。すっぱの九郎兵衛は、田舎者の万兵衛から黄金造りの太刀を盗む。気づいた万兵衛が騒ぎ立てるも、両人とも太刀は自分のものであると譲らない。太刀の持ち主を見極めるためさまざまな質問に答える二人。九郎兵衛は先に答える万兵衛の様子をこっそり盗み聞きし、間違うことなく答えていくが…。能や狂言の演目を歌舞伎にした「松羽目物」の一つで、太刀の名前や由来を踊りで説明し答えていくコミカルな様子がみどころ。悪者ながらもどこか憎めない九郎兵衛と、真面目で純朴な万兵衛二人の姿が生き生きと描かれた演目を楽しもう。
放送情報
放送局:CS放送「衛星劇場」
[出演]中村獅童、寺島しのぶ、坂東新悟、中村玉太郎、片岡亀蔵、片岡孝太郎、坂東
彌十郎
『二條城の清正 淀川御座船の場』(にじょうじょうのきよまさ)
放送局:CS放送「衛星劇場」
[出演]松本白鸚、市川染五郎、松本錦吾
『太刀盗人』(たちぬすびと)
放送局:CS放送「衛星劇場」
[出演]尾上松緑、中村鷹之資、尾上左近(現・辰之助)、坂東彦三郎