シベリアンハスキー、満員のツアーファイナルで全国5都市を駆け抜けた3人の成長を見せつける

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音楽
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シベリアンハスキー

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『シベリアンハスキー 痺れに来いツアー』2026.08.28(fri) 渋谷Milkywa

真夏の全国5都市を走り抜け、シベリアンハスキーが東京に帰ってきた。8月28日、渋谷Milkyway、"シベリアンハスキー 痺れに来いツアー"ファイナル。5月の下北沢・近道での初ワンマンを経て、ライブ三昧の日々は3人をどう成長させたのか。は見事ソールドアウト。ステージが見えづらいほどの大盛況だ。

頼もしいガールズバンドの先輩、対バンのBray meが気合の入ったパフォーマンスでフロアに熱を入れたあと、美月(Vo&G)、かめ(G)、結楓(Dr)、サポートベースの4人が登場。美月がおもむろにアカペラで「落書きのような」を歌いだす。「あなたに勇気を与える歌を歌いに来ました」。爆音が鳴り響き、静かに聴いていたオーディエンスが一斉に手を上げる。静から動へ、満員のフロアを一瞬で掌握する鮮やかなオープニング。

シベリアンハスキー

シベリアンハスキー

「かかってこいよ!」と煽りながら「ふたりだけで」、そして「ジャンプできますか!」と呼びかけて「ダーリン」へ。間奏では「うちのスーパーギタリスト、かめ!」と叫んでギターソロを後押しする美月。ついさっき、Bray meのステージで聞いたのと同じセリフだ。後輩バンドらしいリスペクトと愛嬌を併せ持つ、シベリアンハスキーが愛される理由はこんなところにもある気がする。

「この曲をお守りとして持って帰ってください」

ライブ後半でやることも多い、渾身のロックバラード「コンソメスープ」を前半でやってしまうのは、バンドとしての自信と進化の表れだろう。振り絞る声、ブルージーなギター、感情込めたドラム。「よかったら一緒に歌って」と美月は言うが、この歌は彼女の声を聴いていたい。彼女そのもの、話すように叫ぶように歌う等身大の声がいい。

美月(Vo&G)

美月(Vo&G)

「今日は集まってくれて本当にありがとうございます。初めてソールドアウトできました。そしてBray me、めちゃくちゃかっこよかったです」

自由に踊ってくださいね。かめのファンキーなカッティングが冴えわたる「ナイトウォーカー」は、おしゃれな音楽性とひたむきな演奏を合体させた、グルーヴィーな逸品。「星空を抱きしめて」はアカペラ、ファルセットも織り交ぜたボーカルの表現力、緩急をつけたアレンジの妙を堪能できる曲。そして「いたいよ」は明るく楽しく踊れるロックナンバー。フロアが混みすぎてほとんど姿は見えないが。ストレートなエイトビートもファンキーなノリも自在に乗りこなす、結楓のドラムは安定感抜群。全曲にギターソロがありお立ち台の上で弾きまくる、かめはまさにスーパーギタリスト。3人揃って、持って生まれた華がある。

結楓(Dr)

結楓(Dr)

「新曲、聴いてくれましたか。ひとことで言えば片想いソングです」

ツアータイトルの元になった「痺れる恋とビー玉」は、ビー玉を恋に例えた繊細な歌詞と、切なさを振り切るような疾走感が魅力の1曲。5月のワンマンで初めて聴いた時よりも、ぐっと骨太になってスピード感も増した気がする。さらに「ラスト2曲、飛ばして行きます!」の声に「え、もう?」と思う間もなく「ユー!」へ突入、「Oi!Oi!」の掛け声と共に猛烈なエイトビートで駆け抜けて「アパートの一室で」へ、美月も積極的にお立ち台に駆け上がって盛り上げる。フロアはもみくちゃ、しかし女性も多く行儀のいいオーディエンスばかりなので怖くはない。シベリアンハスキーが作るライブ空間は激しく熱くエモーショナル、同時に明るくピースフル。居心地のいい場所だ。

かめ(G)

かめ(G)

「発表があります! 11月11日、下北沢Flowers Loftでワンマンライブします。は1111円です」

アンコールでは嬉しいお知らせ。シベリアンハスキーらしく犬にちなんだ「ワンワン」の日に開催する、その名も「WAN-MAN」ライブ。怒涛の勢いでライブは続く。3人は走り続ける。

「私は人前で目立つことも好きじゃないし、型にハマっていたい人でした。でも音楽が好きになって、2023年5月29日に初めてライブをしました。その時もまだ怖かったけど、今の私にとってステージは生きる意味になりました。出会ってくれてありがとうございます」

私の気持ちを変えてくれたこのステージで、あなたの心のツマミをフルテンにしてもいいですか。美月の本音MCのあと、ラスト1曲「フルテンディストーション」を全力でやりきって、全11曲ジャスト1時間のライブは幕を下ろした。シベリアンハスキーはロックバンドだが、時にブルース、ファンク、あるいはフォークソングや歌謡曲にも通じるような自然なミクスチャー感がある。ライブで見るとその魅力の多層がよくわかる。

引っ込んだと思ったらまた出てきて「忘れてました!写真撮りたいです!」と、Bray meを交えて嬉しそうに記念撮影する姿は、バンドマンというより普通の20代女子。帰りにもらった「WAN-MAN」ライブのフライヤーに写る3人も、かつてないリラックスしたいい笑顔に見える。結成3年、何かが変わりつつある。化ける予感がする。


取材・文=宮本英夫 撮影=池田彩音

シベリアンハスキー

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ライブ情報

WAN-MAN(ワンマンライブ)
2026年11月11日(水)下北沢Flowers Loft
OPEN 18:00 / STARAT 18:30
料金:¥1,111

詳細
https://livepocket.jp/e/1111_wanman
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