くらしの空間で味わう現代アート『みんな、うちのコレクションです』展が原美術館で開催中

レポート
2016.6.16
加藤泉《無題》2008年

加藤泉《無題》2008年

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かつての個人邸宅が、今はアートを楽しむ空間として愛され続けている。東京・品川の閑静な住宅街にある原美術館は、西洋モダニズム建築が特徴的な美術館。これまで、その空間と作品との対話を大切にした展示を数多く提案してきた。この度、同美術館の1,000点にのぼるコレクションの中から、横尾忠則、加藤泉、森村泰昌、クリスト&ジャンヌ=クロード、ウィリアム ケントリッジらをはじめとする絵画・彫刻・ドローイング・映像作品を厳選し、全館を使ったコレクション展が行われている。5月28日(土)~8月21日(日)に開催されている『みんな、うちのコレクションです』展のギャラリートークより、その魅力をお伝えしよう。

原美術館・外観

原美術館・外観

出品作家は名だたる現代アーティスト

原美術館のコレクションは、1979年の創立以来35年以上、国内外の多彩な現代アーティストの作品を集めた貴重なものばかりだ。今回の展覧会では、住居空間としての特徴を十分に活かし、かつての食堂や応接間、廊下、階段などに、名だたる作家たちの作品が気持ち良く並ぶ。

1階エントランス近くには、暖炉跡と開放的な格子窓がくつろいだ雰囲気の部屋で、加藤泉の立体作品が来館者を迎える。

加藤泉《無題》2008年

加藤泉《無題》2008年

1階ギャラリーⅠの風景

1階ギャラリーⅠの風景

廊下には、クリスト&ジャンヌ=クロードの巨大な布や傘を使って風景を一変させる空間アートのドローイング作品などが並ぶ。

1階廊下の風景

1階廊下の風景

食堂だった開放的な空間には、絵画的な作品がゆったりと壁に掛けられている。中国を代表するアーティストである艾未未(アイ・ウェイウェイ)の初期作品や、森村泰昌のポートレイト作品、笹口数のタイポグラフィ作品は、同じ"肖像"をテーマとしながら全く違う表現がなされており、思わずハッとさせられる。

艾未未(アイ・ウェイウェイ)《毛像組1》1985年

艾未未(アイ・ウェイウェイ)《毛像組1》1985年

森村泰昌《今、こんなのが流行ってるんだって》2005年

森村泰昌《今、こんなのが流行ってるんだって》2005年

笹口数《星座》2002年

笹口数《星座》2002年

2階には、横尾忠則の作品が集められた空間も。近年のY字路を描いた作品や、貴重な初期作品などが並ぶ。

横尾忠則(左)《誰が故郷を想わざる》2001年、(右)《DNF:暗夜光路 眠れない街》2001年

横尾忠則(左)《誰が故郷を想わざる》2001年、(右)《DNF:暗夜光路 眠れない街》2001年

"隅っこ"まで見逃せない!くらしの空間を活かした展示

かつての邸宅ならではの展示作品を見つけることも、同館の楽しみ方のひとつ。1938年に実業家・原邦造の邸宅として、東京国立博物館(上野)や和光ビル(銀座)を手がけた渡辺仁により設計されたこの建物には、幾何学的な直線と優美な曲線が織りなす、西洋モダニズムの洗練された魅力が溢れている。その空間にインスピレーションを受けた作家たちが、ここでしか見られないユニークな作品を随所に忍ばせている。

1階ギャラリーⅡ奥の開放的な窓辺

1階ギャラリーⅡ奥の開放的な窓辺

トイレを使った森村泰昌の作品、暗がりの廊下には宮島達男のデジタルカウンター作品、浴室だった部屋には奈良美智の制作現場の再現作品などなど。他にも意外な場所に作品が潜んでいるので、隅っこまで見逃さず探してみよう。

森村泰昌《輪舞》1994年

森村泰昌《輪舞》1994年


奈良美智《My Drawing Room》2004年

奈良美智《My Drawing Room》2004年

大きな美術館での壮大なスケールの展示も良いが、くらしの空間の中で現代アートを味わえる贅沢が原美術館にはある。中庭を見ながらくつろげるカフェも増築された同館。ランチをしながらアートの意味を紐解く休日はいかがだろうか。

包み込まれるような円弧を描く中庭の空間

包み込まれるような円弧を描く中庭の空間

 

 
イベント情報
みんな、うちのコレクションです

会期: 2016年5月28日(土)〜 8月21日(日)
会場: 原美術館
〒140-0001 東京都品川区北品川4-7-25
開館時間: 11:00 am - 5:00 pm(水曜は8:00 pmまで/入館は閉館時刻の30分前まで)
休館日: 月曜日(祝日にあたる 7 月 18 日は開館)、7 月 19 日
入館料: 一般1,100円、大高生700円、小中生500円/原美術館メンバーは無料、学期中の土曜日は小中高生の入館無料/20名以上の団体は1人100円引
交通案内: JR「品川駅」高輪口より徒歩 15 分/タクシー5 分/都営バス「反 96」系統「御殿山」停留所下車、徒歩 3 分/京急線「北品川駅」より徒歩 8 分

会期中イベント:トヨダヒトシ 映像日記・スライドショー
日程:2016年8月13日(土)、14日(日)

ウェブサイト http://www.haramuseum.or.jp
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