RISE伊藤隆代表インタビュー「こういう時期だからこそ最高のカードを組んでいく」

インタビュー
スポーツ
2020.8.20

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“神童”那須川天心を擁するRISEがコロナ禍を乗り越え7月から大会を再開。10月には強豪外国人を招聘してのワールドシリーズを予定したが、感染拡大の影響により入国が困難となり企画変更を余儀なくされた。しかし「こういう時期だからこそ最高のカードを組んでいく」と伊藤隆代表は言い、リングで繰り広げられる戦い同様、攻めの姿勢を崩さない。開催迫る8月および9月大会、そしてRISEの精神を聞いた。

コロナ禍を乗り越え、7月から大会を再開

――コロナの影響で大会中止が続いた後、『RISE on ABEMA』(7月12日)で活動を再開しました。無観客でのTVマッチという初の試みになりましたが、振り返っていかがですか?

伊藤 ABEMAは5月にも同様の大会を修斗でやっていてコロナ対策のしっかりしたマニュアルがあるので、我々も安全にできると思い開催できた大会でした。今後は会場で、人数制限された中でやっていきますが、ウィズコロナの時代でまたあのような形があるかもしれません。今回Zoomでの観戦者は画面1面に映しただけでしたが、もっと3面・4面につけたり、そういったやり方もありかなと思っています。

――その1週間後、7月19日には後楽園ホールで客席を削減しての『RISE140』を開催しました。こちらはいかがでしたか?

伊藤 やっぱり後楽園ホール側はすごく慎重になっていました。いろんな規制もありましたし、フェイスシールドやマスク、ソーシャルディスタンスも徹底して、終わるまで気が抜けませんでした。不安はたくさんありましたが、少ない中でもお客さんがあった方がやっぱり選手はモチベーションが上がるなと思いました。会場の熱やファンや仲間、自分を応援してくれる人たちがいることで普段以上の力が出るっていうのは絶対あると思います。観客の存在というのは本当に重要だなというのを改めて感じました。

――制限された中ではありますが活動も再開となり、2020年後半の予定を教えてください。

伊藤 8月23日の後楽園、9月4日の後楽園、そして10月11日のぴあアリーナMM(横浜)、そして11月1日の大阪大会、11月14日の後楽園、12月18日にも後楽園ホールで開催して、さらにまだ追加を予定しています。当初はぴあアリーナでワールドシリーズの予定でしたが、外国人の入国制限もあるので、日本人対決でRISEならではの熱いカードを組んでいきたいと思っています。

――やはりそういった“熱い戦い”こそがRISEになるのでしょうか。

伊藤 そうですね、旬の選手同士の試合は率先的に組んでいきたいと思います。
うちのロゴにも「エクストリーム・ファイト・ゲーム」と入っていますが、RISEのルールというのはクリンチがなく休みがないので本当にキツいんです。タイの一流選手が来てもリズムが掴めなかったりするのでみんな苦戦します。試合時間いっぱい、ひたすら攻防を要求される。まさに“エクストリーム・ファイト・ゲーム”だと思います。

“エクストリーム・ファイト”必至――8・9月大会見どころ

――それでは、開催の迫る8・23後楽園大会の見どころを教えてください。

▼-64kg契約 3分3R延長1R
北井智大(チームドラゴン/ライト級3位)
マサ佐藤(名護ムエタイスクール/英雄伝説64kg級アジア王者、西日本統一ライト級王者)

伊藤 北井はRISE門番的な感じがあって、これまでニューカマーに当てて負けたことがありません。でも対戦相手のマサ佐藤も打たれ強いので、どうなるのか興味深いところです。RISEの門番として新参者を倒してきた北井と、満を持して参戦する佐藤。楽しみな一戦です。

▼ライト級(-63kg) 3分3R延長1R
秀 樹(新宿レフティージム/同級1位、K-1 REVOLUTION FINAL-65㎏級世界王者)
麻原将平(パウンドフォーパウンド/同級4位、元HOOST CUPスーパーライト級王者)

伊藤 麻原は元々RISEに出ていた選手ですが、関西のHOOST CUPでチャンピオンになりました。ただ、いい時と悪い時で波のある選手で、秀樹も1月のタイトルマッチで負けてからの復帰戦なので、この試合はどうなるか分かりません。フィジカルでは秀樹ですが、テクニックでは麻原。今は関西が東京に追いつく勢いで本当にいい選手が多くて、麻原もそこへ食い込んできてほしい選手です。ただ、秀樹も63㎏トップ選手の1人なので意地があるでしょう。

▼バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R
良 星(らすた・平井道場/同級1位)
戸井田大輝(戸井田道場/MAキックボクシング日本スーパーバンタム級王者)

伊藤 良星は体感が強くて、芯がある選手ですね前回1月のタイトルマッチでは負けてしまいましたが、そこでダメだった部分は修正してやっていると思います。対戦相手の戸井田選手も実力がありますが、RISEはやっぱりリズムが速いので、このルールにどこまで対応できるかがポイントになると思います。

▼-56.5kg契約 3分3R
知花デビット(エイワスポーツジム/元WMC日本フェザー級王者、元WMC日本バンタム級王者、元WBCムエタイ日本統一バンタム級王者)
京谷祐希(山口道場)

伊藤 京谷は前回志朗との試合が噛み合わず、お互い手の内・相手の出方を考え過ぎてしまいました。でも志朗のトレーナーに聞いたのですが、京谷のパンチが強過ぎて入れなかったと話してました。それぐらい相当パンチが強いみたいです。ですが今回の知花も剛腕パワフルな選手なので、ここはKO決着で行くんじゃないかと思います

▼ミニフライ級(-49kg) 3分3R
後藤まき(RIKIX)
AKARI(TARGET/2018年KAMINARIMON全日本女子大会-52kg級優勝)

▼アトム級(-46kg) 3分3R
佐藤レイナ (team AKATSUKI/NJKFミネルヴァ アトム級3位)
小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM/第38回全日本空手道選手権大会2019軽量級優勝)

伊藤 女子は今後も充実していくと思います。AKARIは4戦全勝の高校生で、先日NHKにも取り上げられたり注目されています。今回急な対戦相手の変更がありましたが、その影響を受けず連勝を伸ばすことができるか。小林も前回は引き分けでしたが、パンチの巧い原口(健飛、現ライト級王者)のジムでパワフルなので、今後台風の目になるかもしれません。対する佐藤はここ最近勝ち星に恵まれていないので、踏ん張りどころの一戦になります。

RISEスーパーフライ級(-53kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R
田丸 辰(王者/TRY HARD GYM/初代RISEスーパーフライ級王者)
大﨑一貴(挑戦者/OISHI GYM/スーパーフライ級1位、初代WMC日本フライ級王者、LPNJフライ級王者)

▼スーパーフェザー級(-60kg)3分3R延長1R
森本“狂犬”義久(BRING IT ONパラエストラAKK/フェザー級2位)
前口太尊(TEAM TEPPEN/元J-NETWORKライト級王者

伊藤 9月大会は田丸辰と大崎一貴でスーパーフライ級のタイトルマッチです。この試合は2度目の防衛戦で最強の挑戦者を迎え、田丸の真価が問われるところです。あとは狂犬と前口太尊。狂犬はもうフェザー級ではできないと言うことで60㎏に階級を上げます。これはパンチ対決が必至ですし面白いと思います。

男子2階級&女子のトーナメント開催

――さらに今年後半、10月以降のRISEについても教えてください。

伊藤 外国人が来日できないので、代わりに日本人のトーナメントを2つ、あとは女子のトーナメントもやります。男子は63㎏と55㎏で、4人のワンデイ。それを横浜と大阪で分けて行います。女子は8人で、全トーナメント賞金マッチです。女子はこれまでの基準に比べ破格の金額になると思います。女子は横浜で1回戦をやって、大阪で準決勝と決勝やります。DEAD OR ALIVE トーナメントを復活させます!

――ワールドシリーズが行えなくても、それに劣らない好企画ですね。

伊藤 RISEらしいですよね。それでバッチバチにして、KO賞も1試合30~50万円にしようと思っています。うちは大変ですけど(苦笑)、やっぱり夢のあることをやらないと。ワールドシリーズができなくても盛り上げていかないといけませんから。選手たちも大きな大会が無くなってかわいそうじゃないですか。モチベーションを上げてあげたいし、だったら我々が頑張ります!

――ファンはもちろん選手たちへの思いも感じますし、今後のRISEに期待しています。

伊藤 やっぱりみなさん、コロナの影響で元気がなくなっている部分があると思います。でも、選手と我々が協力して勇気や元気、感動を発信することで、少しでもみなさんが元気になれれば、“コロナにみんなで打ち勝っていくぞ”というのを発信できたらと思います。コロナの対策には最善を尽くしていくし、出し惜しみはせず、日本人の最高のカードを組んでいきます。この時期だからこそ最大限のことをやらないと。もう再スタートしたので、よっぽどのことがない限りは止まりたくないと思っています。

イベント情報

『RISE141』

 日時:8月23日(日)18:00試合開始
 場所:後楽園ホール(東京都)

イベント情報

『RISE142』

 日時:9月4日(金) 18:00本戦開始予定
 場所:後楽園ホール(東京都)

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