私立恵比寿中学、新体制初のツアー&音源リリースへの想いを訊く「がむしゃらに頑張って、みなさんの好きなエビ中を全国に届けたい」

動画
インタビュー
音楽
2023.5.6
私立恵比寿中学

私立恵比寿中学

画像を全て表示(7件)

「永遠に中学生」というコンセプトでスタートした10人組グループ私立恵比寿中学、通称エビ中。2022年末で長年エビ中の歌唱力をけん引してきた柏木ひなたが卒業。新たに約7000名応募のオーディションを経て、当時中学生の桜井えま、仲村悠菜の2名が加入して10人体制で走り出した。全国16公演のツアー『私立恵比寿中学 spring tour 2023~100%ebism~』、そして10人体制初の音源となる4年振りのシングル「kyo-do?」のリリースを前にした星名美怜、小林歌穂、中山莉子、小久保柚乃、桜井えまのメンバー5名に、約1万字のロングインタビューで今の想いに迫る。

――まず、柏木ひなたさんの卒業公演と、桜井えまさんと仲村悠菜さんが加入した新体制初ライブの感想から聞かせてください。

小林:本当に切り替えが難しい2日間だったと言いますか。「どうやって自分の気持ちを持っていけばいいんだろう……?」ってちょっと迷ったし、ファンのみなさんの中にも「どういう気持ちで見たらいいんだろう……」って思っていた方も多かったと思うんですけど、私としてはひなちゃんの最後は、「いい思い出だったな」って存分に楽しんで笑って送り出せたらいいなっていう気持ちで臨んでいました。次の日の新体制のライブは、エビ中の「これから」を作っていかないといけなかったので気合は入っていたんですけど、変に心配をしていて。でも実際にやってみたら「そんな心配いらなかったじゃん、なんか大丈夫かも」ってライブ中に思えましたし、春ツアーに向けていい感じで進んでいけたらっていう希望が持てて、すごくよかったと思います。

星名:柏木の卒業式は、ずっと一緒にやってきた仲間を見送るという意味で久しぶりな気持ちでしたが、彼女とはまた会うことができるということもあって、寂しいけれどちゃんと送り出せました。彼女の卒業を発表したとき、ファンの皆さんの戸惑いをすごく感じていましたし、新体制を受け入れていただくには「これが新生私立恵比寿中学だ」というものをしっかりとライブで見せないとずっと応援してくださったファミリーが離れてしまう、と覚悟を決めてやっていました。でも、ライブ中に「曇天」のつなぎのところで自然にクラップが発生したときに「あ、私たち、ファミリーの心を動かすことができる」と確信して、希望に変わりましたし、ほっとしました。

中山莉子

中山莉子

――中山さんはどうでしたか。

中山:「ebichu pride」(2008年に開催された「私立恵比寿中学新春大学芸会 ~ebichu pride~」。その前日には元メンバー廣田あいかの転校公演が行われた)のときのように2日間で全く違う公演で、ひなたちゃんのライブは笑顔で送り出して楽しくハッピーに終われたらいいなという気持ちで楽しんでやってたんですけど、2日目は今後のエビ中が決まってくるライブだったのでプレッシャーがありました。でも、リハーサルの時点で「大丈夫だ」って思えるぐらいの自信は持てていたし、実際にライブを終えてみても、「この10人だったら大丈夫!」って思えたので、無事終えられてよかったなと思っています。

――やっぱり、「ebichu pride」のときとは違いました?

中山:全然違~う!

小林:そうですねえ。あのときはメンバーが抜けてお姉さんメンバーだけになった最初のライブだったんですけど、今回の場合は卒業と転入のどちらもあったので、また違う雰囲気ではありました。

中山:あのときは本当に何もない状態で、オトナとメンバーとで気持ちの持ち方も全然違ってて。でも、あれを経験したからこそ今回のライブができたんじゃないかなって思います。

――小久保さんはどうでしたか。

小久保:私にとっては初めての先輩メンバーの卒業で、「卒業するときってどんな感じなんだろう……?」っていうのが全然わからなくて、ライブが始まってからやっと実感が湧いてきました。卒業式の次の日に新体制ライブってことを考えると頭の持っていき方が分かんなくなっちゃうから、とりあえずその日その日のことに集中することにして頑張ったんですけど、気持ちの浮き沈みがすごく激しい2日間でした。

小林:そうだよね……。

小久保:卒業した直後にも実感はしていたけど、終わって数日後のほうがもっと「もう違うんだ……」っていう気持ちになりました。

――では、桜井さん、初ライブはどうでしたか。

桜井:やっぱりプレッシャーがすごくて。まさか初ライブが幕張メッセだなんて思ってもなかったので、うれしいという気持ちはもちろんあったんですけど、やっぱり「大きいな……!」っていう。会場の大きさもそうですけど、ひなたちゃんのパートを歌わせてもらうことが多かったので、1日目のリハーサルを見ているうちにすごく苦しくなっちゃって……っていうのもおかしいんですけど、「ひなたちゃんの次の日にこんなの歌えないよ!」って思っちゃって。でも、えまはひなたちゃんの穴を埋めるわけに入ったわけじゃないし、えまはえまらしくやっていいんだよっていうことを先輩メンバーから言ってもらえたので、当日はすごく緊張していたんですけど、ライブが進むうちに「楽しいな」っていう気持ちになれたのですごくよかったなって思います。

――それにしてもフル稼働でしたね。ちょっと出てきて数曲歌うぐらいなのかなって思ってました。

桜井:最初はそうだったんです。あんなに全部じゃなくて、本当にちょっとだけ出る予定だったらしくて。

小林:今回はメンバーもライブの打ち合わせに参加させてもらって、セトリをどうするかとか、どういうライブにするかとか考えるところまで関わらせてもらったんですけど、ファンの方を納得させるにはとにかく必死こいて頑張ってる姿を見せることだと思ったし、それは「新メンバーがこの子たちでよかったな」って思ってもらうきっかけにもなるので、「ここは甘えず、全部やろう」って。メンバーそれぞれほかの仕事があったりして、その話をしたときにその場にいたメンバーは私とまやさん(真山りか)だけだったんですけど、ほかのみんなも「そのほうがいいよね」って。ライブ後半、バンドセットでメドレーをやったんですけど、それを乗り越えない限りはエビ中にはなれないよね、って自分たち自身に試練を与えるためにもガッツリとやりました。

――鬼になったわけですね。

小林:鬼になりました(笑)。

星名:やっぱり、私たちはがむしゃらにやってきたグループなので、がむしゃらにやる姿がファミリーの方に刺さると思いました。

小林:本当にそうです。

――たしかに、あそこまでやったからこそ純粋にすごいと思ったし、「エビ中のすごさってこれだよな」と強烈に感じました。

小林:うれしい。

――そういう意味でもかなり意味のあるライブになったと思います。その後、新体制の雰囲気というのはどんな感じですか。

小林:すごくいい方向に進んでます。エビ中ってリーダーを決めずにやってきて、メンバー個人個人で成立しているのがはっきり出ているのがすごくいいなと思うし、みんなでエビ中を作り上げていくことで本当にいい雰囲気になっていると思います。

星名美怜

星名美怜

――新メンバーが入ったことで、受け入れる側のメンバーの変化はあったりしますか?

星名:カホリコ(小林と中山)がかなりお姉さんになりました。

小林:あー、20歳を超えたっていうのもあって、確かに前よりも大人にはなりました。

――お2人は新メンバーが入るごとに大人になっていますよね。

中山:妹ちゃんたちにお姉さんにしてもらいましたね。

小林:してもらいました。

――新メンバーが入って、ココユノノカ(桜木心菜と小久保柚乃と風見和香)の変化はありますか?

中山:あ、すごい変わった~。

小久保:(小声で)ふぅ~ん……。

――あ、本人は自覚なし?

小林:柚乃なんて最初は「どうしたらいいんだろう……」って戸惑ってばかりだったんですけど、今は自分から「こうしたい」とか「こうしなきゃいけない」って気づけるようになってきて、新メンバー2人のおかげで柚乃もしっかりするところはしっかりするようになったと思います。

小久保:2人が入ってから「新メンバー」って呼ばれることがなくなって、1年だけだけど先輩になったから甘えられないというか。「新メンバーだから可愛い」とか、新メンバーだから許せていた部分ってファミリーの皆さんの中にも多分あったと思うんですけど、それがほとんどなくなって、今はやらなくちゃいけないことだとかを自分で考えるようになりました。

――リアルに中2になる感覚ですよね。

小久保:そうですね。中学校1年生だったところに後輩ができた、みたいな感じです。

――具体的に変わったところは?

小久保:えー、なんだろう……周りの人の反応を見るようになりました。もともと人のことを見たりはしていたけど、自分からはあんまり発言はしてなくて。でも、最近はちょっとずつだけど自分の意見も言うようになってきたと思います。

星名:(低学年メンバー)5人の役割がだんだんと分かれてきていて、ちゃんとアイドルになっていると感じます。自分を客観視してアイドル力が高くなっている気がします。

――そういう感覚ってありますか。

小久保:確かに、心菜と和香の補助、みたいなのが自分の役割なのかなと思ってます。幕張が終わってから5人で武者修行フリーライブを何本かやっていくなかで立ち回り方を勉強しました。

――3人の中では補助の役割なんですか。

小久保:心菜は一番お姉さんだから5人をまとめてくれて、和香も(新メンバーの)2人と同い年だけど先輩っていう立ち位置ですごく頑張っているから、柚乃は2人の補助をやったりしてます。

――そういう立ち位置はどうですか?

小久保:いやー、2人とも大変そうだなって思います。

全員:(笑)。

小林:本当に補助してるのかなあ?(笑)大丈夫かなあ?

桜井えま

桜井えま

――今、小久保さんの話にも出た武者修行フリーライブですけど、桜井さんはどうでしたか。

桜井:初めて5人だけでライブをすることになって、お姉さんメンバーがいない中で、アップの時間に何をやるのかとか最初はどうしたらいいか分からなくて。しかも、場当たりとかリハーサルとかも全部自分たちでやらないといけなくて、まだまだ学ばないといけないことがいっぱいあるんだなっていうことをそこですごく気づかされました。ココユノノカちゃんたちは褒めてくれるときもあるし、「ちょっとだらけちゃってたよ」って注意してくれるときもあって、そういう部分でも助けられてたなって感じます。

――全部自分たちでやるってハードですよね。お姉さんメンバーがいないって崖から突き落とされて「這い上がってこい」って言われてるようなものじゃないですか。

桜井:自分の中では「ここはうまくいかなかったな」とか、「ここは練習どおりできたかも」とかいろいろあるんですけど、一番大変だったのはそれまでのレッスンとか練習で。心菜ちゃんが作ったフォーメーションを教えてもらったり、振りも先生じゃなくてココユノノカちゃんたちが教えてくれたり、自分たちで全部やったのですごく大変だったなって思います。

――それはココユノノカの3人もめちゃめちゃ成長しますね。

小久保:心菜と和香が頑張って教えてくれたので。

――自分じゃないっていう(笑)。小久保さんから見て2人のパフォーマンスはどうですか。

小久保:パフォーマンスで言うと、柚乃よりも2人のほうが全然できていることが多いです。2人ともフリーライブを通して「ここはこうしたほうがいいのかな」っていうのを自分で発見して楽屋で練習していたり、分かんないところがあったらすぐに聞いてくれたりします。

――小久保さん自身についてはどうですか。

小久保:柚乃は、心菜と和香がちょっとこんがらがっちゃったりしてるときに、「こうなんじゃない?」って2人の横でふわふわと囁いてる人なんですけど、自分自身についても「もうちょっとここはこういうふうにできたよな」とか考えることもあるし、フリーライブの最初のほうではできなかったことが、少しずつできるようになってきてちょっとはよくなったかなと思います。

――2人の話を聞いて、お姉さんメンバーの3人としてはどうでしょう。

星名:武者修行フリーライブは、いろんなライブやライブの作り方を経験することで、「あとで『やってよかった』と思うときが来たらいいな」という気持ちで私たちメンバーから提案しました。あと、このライブを通じてファンの方に5人のパーソナルを見てほしいという思いもありました。

小林:本当にアイドルとしての下積みがないので、いきなり10年続くグループでやるとなるととやっぱり経験を積まない限りは……っていうのもあって。私たち(小林と中山)も下積みがない状態でエビ中に入って、「いつどん底に落とされるのか……」って不安になったことがあったので、5人は本当にいい機会を設けてもらってるなって思うし、いい経験になったと思います。2人は加入して5か月で臨機応変にライブで対応しなきゃいけなかったり、柚乃だって加入して2年でいきなり無茶なことをこなせてるので、ハイパー中学生すぎて単純にすごいなって思ってます。

中山:入って5か月と2年のメンバーだけで「セトリも自分たちで全部決めなさい」って言われても……。

――あ、そうなんだ!

小久保:5人でやりたい曲を出し合って、心菜がまとめてくれました。

中山:エビ中を背負ってやってもらってるから大変だった部分もあるだろうけど、ちゃんと成長して自信につながってるんだなっていうのはすごくわかるので、エビ中はどんどん明るい未来が見えてきてるなって思います。

シェア / 保存先を選択