…そして、消え逝くキミ達と。 挫折からの再生、新たな表現の開拓と挑戦への意欲で溢れた活動に対する想いを語る
…そして、消え逝くキミ達と。
今年の4月に「KEKM(きえきみ)」として始動。5月5日に東京・harevutaiで開催されたデビュー単独公演『やがて消えるボク達と。』の中で「KEKM」の活動を突然終了させた直後、「…そして、消え逝くキミ達と。」として再生を遂げた彼女たちは、前に進み続けている。7月29日(水)にリリースされるデビューシングル『Thurston』は、初のCD作品。8月17日(月)には、東京・恵比寿LIQUIDROOMで単独公演『…ボクと。』を開催する。新たな表現の開拓と挑戦への意欲で溢れた活動に対する想いを7人が語ってくれた。
――グループ結成の過程は、どのような感じだったんですか?
彩葉ちえり:もともと私、琥珀まい、とわえもあは同じグループで活動していたことがあったんですけど、今、お世話になっているスタッフさんに「アイドルをやらない?」っていうお声がけを頂いたんです。
――3人が所属していたグループは、「コレって恋ですか?」ですね。
ちえり:そうです。解散してから3年くらい経ちました。最初は3人とも「現実的じゃないかな」という感じだったんですけど、声をかけてくださった方の熱意や、活動の計画をお聞きして、「この3人が誰も欠けずにやるのならば」と。そこからメンバーのオーディションをやったんです。 当初のコンセプトは「挫折からの再生」を「ゾンビ」という形で表現するつもりでした。
――4月に始動した時のグループ名は、「KEKM(きえきみ)」でしたよね?
ちえり:はい。このメンバーが揃ってから5月にデビューライブをやって、「挫折からの再生」を表現したんですけど、そこから白い衣装とかも含めた今の方向性になっていくことになります。
――まいさんは、「またアイドルをやらない?」と言われた時、どのようなことを思いました?
琥珀まい:私は前に活動をやめた時の理由が精神的な問題だったので、また活動することに対して批判もあるかもしれないという不安がありました。でも、ちえりちゃんともあちゃんはすごくしっかりしているし、声をかけてくださったスタッフさんが用意してくださった活動計画が嬉しくて、やることを決意しました。
――もあさんは、いかがでした?
とわえもあ:自分は別のアイドルをプロデュースするお仕事もしているので、裏方をしながらまた自分が表に出ることに対して「自分が結局目立ちたいんだ」というような批判もあるかもしれないなと。実際、そういう声もあったんです。だから活動を始めることについて怖い気持ちがずっと大きかったです。そういう気持ちを抱いていた時期を肯定できるかどうかは、この先の活動次第ですよね……ってかっこいいこと言っちゃった(笑)。
全員:(爆笑)。
もあ:アイドルをやっていなかった期間に「もう一度ステージに立ちたい」とふと思ったり、一種の呪いみたいな感覚があったんです。そういうのあるよね?
まい:あるね。わかるよ。
――オーディションで加入したみなさんは、どのような理由でメンバーになろうと思ったんですか?
翠月せいら:「ゾンビ」「一度挫折した人」というコンセプト、メッセージが心に響いたんです。私は去年、北海道から上京して別のオーディションに合格したんですけど、バイトの掛け持ちやレッスンに慣れなくて、活動をやめなくてはいけなくなって。人生最大の挫折を経験した自分とグループのコンセプトが重なりました。
白熊あむ:私はアイドルグループの研究生だったことがあったんですけど、正規デビューすることができず、所属していた事務所をやめてしまいました。でも、「やっぱりまたアイドルをやりたい」と思っていろいろ探していたら、オーディション情報がSNSで流れてきたんです。私はそもそも3人(ちえり、まい、もあ)のファンで、大好きな方々の新しいグループですし、挫折をしていた自分と重なるグループだったので運命を感じました。
もあ:最初、書類審査だったんですけど、最初に送ってくれたのがあむちゃんでしたね。
――みちるさんは、どういう経緯でオーディションを受けることにしたんですか?
茜みちる:私はアイドル歴が今年で5年くらいなんです。次のグループでの活動が決まっていたので、所属していたグループを去年末にやめたんですけど、準備段階で話がなくなってしまい路頭に迷っていたんですよね。「前にいたグループより頑張れるグループに入りたい」と思いつつ、挫折感でいっぱいだった時にオーディションの情報がおすすめで流れてきました。それを見て私も「運命だ!」と。
――うみさんは?
彼方うみ:私も「挫折からの再生」というコンセプトに惹かれました。今年の3月に大学を卒業したんですけど、その前に韓国に留学してK-POPアイドルの練習生をやっていたんです。でも、デビューすることができず、挫折しました。日本に戻ってきてから大学を卒業するまでアイドルの夢を追いかけていたんですけど、「もう諦めよう」と思っていた時に、きえきみのオーディションを知りました。募集動画のビジュアルもかっこよくて。
まい:嬉しい!
うみ:「このグループなら! 私も再生したい!」と思って、オーディションを受けることにしました。
…そして、消え逝くキミ達と。
――最初のライブが「KEKM」としての5月5日の単独公演でしたよね。前半が終わったところで「KEKMはすべての活動を終了いたします」というアナウンスが流れて、その後に「…そして、消え逝くキミ達と。」として再生したそうですが、お客さんはびっくりしたんじゃないですか?
ちえり:次の日の対バンイベントは発表されていたので、「なんだ? なんだ? 明日のライブはあるよね?」ってなってたと思います(笑)。謎のざわつきと、ちょっとの笑いが起きてましたね。
――あの時に披露したのは「overture」を除くと10曲。これだけの曲数を仕上げるのは大変だったんじゃないですか?
もあ:みんな死にかけてました。
ちえり:ゾンビでしたねえ。
みちる:何人か泣いたもんね?
ちえり:「難しすぎるよー!」って泣いたのはあなた(みちる)。
みちる:はい(笑)。アイドルダンスというより、もっと本格的なダンスが多くて大変でした。
――うみさんにとっては、まさにやりたかった方向性じゃないですか?
うみ:まさにそうでした。ひたすら楽しくて(笑)。オーディションの時から難易度の高いダンスだったので、そうなるのは予想もしていました。
――せいらさんは、デビューライブの思い出はありますか?
せいら:ステージに立ったら目の前が私の母で、大号泣していました(笑)。もともとは来れない予定だったんですけど、妹と従兄弟を連れて北海道から来てくれたのがすごく嬉しかったです。
――あむさんは?
あむ:前から応援してくださっているお客さんも来てくれたのが本当に嬉しかったです。恩返しをしていきたいですね。
茜みちる
彼方うみ
――7人のパフォーマンスは、最初から上手くいきました?
まい:リハーサルの時にあまりにもボロボロだったんです(笑)。でも、そこからみんなで泣きながら追い込みをして、デビューライブをちゃんとやることができて、「やっとスタートラインに立てた」と思いました。
――初ライブの時点で、グループとしての表現の方向性は明確になっていました?
もあ:そうですね。7人それぞれの動きが違いつつ、全員で作り上げる感じなんです。映画みたいに全員で1つの物語を作り上げる感じというか。運営さんはよく「1つのミュージカルを観終えたような気持ちになって欲しい」と言ってます。あと、「アート作品のように、人それぞれの捉え方、解釈の仕方があっていい」というプロデューサーさんの意向があるので、その日それぞれの感じ方ができるものでもありたいとも思っています。
ちえり:私はきれい系、楽しい系の曲よりも意味が深くて、いろいろ想像できて、フォーメーションが多彩な曲が好きなんです。だから、今やってる方向性がすごく好きです。ライブを観たお客さんが涙を流してたり、「仕事で大変なことあったけど曲を聴いたら元気出た」とか言ってくださったりするので、この方向性でやり始めてよかったなと思ってます。
――5月にKEKM名義での『ZOMBIE』、6月に『スターダンサー』を配信リリースしましたね。7月29日にCDでリリースする『Thurston』は3作品目。1曲目の「Overture #001」は、5月の単独公演の後半の幕開けで流れた曲?
みちる:そうです。この曲で登場してお客さんをキエキミの世界観に引き込んでいきたいと思ってます。
――2曲目の「ディファレンシア」は、かっこいいサウンドです。
まい:ありがとうございます。裏テーマではあるんですけど、私たちの曲は、それぞれヒロインがいるんです。「ディファレンシア」は、私です。一度は夢を諦めてしまった人が、再び前に進んで行くという想いを歌っています。初めて聴いた時、自分と重なるものがすごくあって泣きました。
――「挫折から再生」を描いていますよね?
まい:はい。何かを諦めたことがある人が、また何かを目指す力になったらいいなと思っています。MVは解散したKEKMのメンバーを1人ずつ集めたり、喧嘩別れを経て、再結成する姿を描いています。私たちの実際のデビューライブの映像も入っているので、それも観ながら考察をしていただけると嬉しいです。
うみ:《還らざる街で》という言葉が何度か出てくるんですけど、それは過去に置いてきてしまったもの、未練を表しているんですよね。そういう感情を抱きつつ前に進んで行く歌として聴いていただけると思います。
とわえもあ
琥珀まい
――「アニメ」は、5月の単独公演で披露した曲ですね。
もあ:はい。歌詞が明るくて曲調も爽やかですけど、これにも裏テーマがあって、「売れなかったアイドル」の曲なんです。ヒロインは私です。私は昔からプライドが高くて、「売れてない」「売れてこなかった」と自分から言うのが嫌だったんです。そういう自分を客観視して歌っています。私たちと同じように「もっと売れたい」「たくさんの人に観てほしい」という想いを抱いているアイドルにも光を射せる曲になったらいいなあって思っています。
――「モーニング・グローリー」は、歌詞の中に7人の名前が入っていますね。この曲のヒロインは?
みちる:私です。でも、「私たちの曲」という感じのテーマですね。挫折って終わりがないと思っていて。挫折を何度も乗り越えながら強くなっていく私たちを感じていただきたいです。そして、同じように挫折を経験しているみなさんに寄り添う曲になったら嬉しいです。
あむ:大好きな曲です。歌詞が自分のことすぎて、どこをとっても共感できるので、定期公演で初めて披露した時に泣いちゃいました。
ちえり:この曲は、ダンスが独特なのも見どころになっていると思います。7人それぞれのことをやっているけど、それが合わさって1人の人間を表現している感じなので。そこも含めてライブで観ていただけると、より伝わるものがあるのかなと。
翠月せいら
彩葉ちえり
白熊あむ
――「せやかて工藤か、知らんけど」は、7月7日に先行配信されましたね。タイトルを見て、とある関西の高校生を思い浮かべる人もいそうですが……。
ちえり:工藤さんは全国にいっぱいいますので……はい(笑)。
――(笑)。この曲のヒロインは?
もあ:この曲にはヒロインはいなくて、それぞれがそれぞれの役を担っています。
――関西弁で歌っていますが、このメンバーの中で関西出身は?
みちる:私です。大阪に18年間住んでいました。この曲の振り付けには、ツッコミの振り付けが入っています。
――漫才師が「なんでやねん!」とボケ役の相方に突っこむ時のような?
みちる:まさにそれです。さっき、その振り付けの練習をみんなでしていました(笑)。この曲、タイトルは独特なんですけど、ちゃんとしたラブソングなんですよね。
ちえり:ダンスはバキバキに踊っていて、かっこいい音の取り方をしています。
――関西弁に関して、みちるさんからメンバーに何かアドバイスはありますか?
みちる:関西弁はイントネーションよりも気持ちが大事なんです。みんなまだ可愛すぎる。
ちえり:ほんますまんな(笑)。
あむ:私はレコーディングの時、みちるちゃんに指導してもらいました。「このイントネーションでいい?」って。
みちる:歌だからイントネーションじゃなくてメロディを気にしてほしいかな(笑)。
――(笑)。曲をかなりハイペースでリリースし続けていますね。
ちえり:1ヶ月に1曲か2曲ずつ増えてきています。
うみ:私は歌とダンスをやりたくてアイドルを志したので、毎日練習漬けなのが幸せです!
みちる:頑張らないと。次、誰が泣くのかな? やっぱり私?
ちえり:そうかもね(笑)。
――北海道にいるせいらさんのご家族は、引き続き応援してくれています?
せいら:はい。私の母や妹は、ファンのみなさんが上げてくださった動画に「ありがとうございます」とかコメントしているんです。活動を喜んでくれているのを感じます。でも……私の家族だってファンのみなさんの間で結構気づかれているんじゃないかなと(笑)。
――(笑)。ライブに関しては、定期公演を大塚FUTUREでやっていますね。
まい:このグループで初めて舞台に立つメンバーもいるので、定期公演は良い経験になっています。
――『[武者修行] 一喜一憂』もやっていますが、これはソロライブなんですね。
せいら:グループでのライブの心強さを実感しました(笑)。メンバーのみんなに任せっきりになってしまっていたのに気づきますね。
あむ:昔、別の事務所で研究生だった頃に「歌もダンスも下手くそすぎる」と言われていた自分が1人でステージに立てるのは、すごくありがたい経験です。課題が鮮明に見える機会にもなっています。
みちる:私、今日この後がソロライブなんですよ。緊張してます(笑)。
うみ:私もこの前、ソロでやったんですけど、セットリストやMCの内容を自分で決めたり、いろいろ大変でした。でも、楽しかったです。今後も続けていったら、すごく成長できそうです。
…そして、消え逝くキミ達と。
――グループとしての次の単独公演も決まっていますね。8月17日の恵比寿リキッドルーム。かなり大きいライブハウスです。
もあ:正直、今のままだとリキッドルームを満員にするのは難しいので、できることをすべてやっていかないと。5月5日の単独公演以来の作り込まれたライブなので、演出も含めて私たちも楽しみにしています。夏だしなんかやばいことしたくない?
ちえり:やばいこと? 花火上げるとか?
もあ:ギリ許されることしたい。
まい:透明のボールの中に入ってお客さんの上を転がるのやりたい!
ちえり:フロアをお客さんで埋めないと下に落ちちゃうよ。
もあ:床をただ転がるだけになっちゃう(笑)。何をやるのかまだ決めてないですけど、何かやりたいですね。私、変わったことをやるのが好きなので。
ちえり:「きえきみは曲とか全体の構成的に広いステージが似合うよね」とよく言われて、私もそう思うんです。広いステージでのライブですから、キエキミの良さがより伝わったらいいですね。広いステージに私たちが負けたらいけないというのも思っています。大きいステージに合った世界観、感情を作り込んでいきたいです。
せいら:「埋まるのかな?」という不安はあるんですけど、メンバーやスタッフさんと話し合って、試行錯誤も重ねています。後悔しないように全力で取り組んでいきたいです。
あむ:リキッドルームでのライブを知ったのは、デビューライブの前だったんです。「どう考えても無理でしょ」って思う人が多いと思うんですけど、絶対に埋めたいです。自分たちのお客さんで会場が埋まるというのを経験したい。熱い気持ちで臨みたいです。
みちる:「埋めるぞ!」という気持ちでやっていく過程も大事ですよね。みんなで全力で頑張る期間を大事にしていきたいです。当日までの間で泣くのは、5回に収めます(笑)。
うみ:ちえりちゃんも言っていた通り、キエキミには広いステージが似合うと私も思っています。ステージの広さに負けないように、全部を伝えられるようにしたいです。メンバー同士の絆がさらに深まる機会にもしたいですね。そして何よりも成功させたいです。私たちのフォーメーションは、広いステージを想定して作られているんです。普段のライブではそれを少し狭めてやっているので、本領発揮ができると思います。
まい:楽曲に私たちのパフォーマンスが負けているのが今の私たちの課題なので、ライブまでの1日1日でできる限りのことをしていきたいです。…そして、消え逝くキミ達と。に対する自分たちの理解度も深めていきたいと思っています。
ちえり:昨日もメンバーだけで2時間くらい意見を交わし合って打ち合わせをしたんです。これから先、もっともっと大きいステージが似合うアイドルになりたいし、「武道館に立つ」と決めているので、そういう成長の過程をぜひ目撃していただきたいです。
――リキッドルームという挑戦を経て、出世魚のように成長していく姿を追い続けてほしいということですね。
もあ:そうです。めだかのままじゃ終われないよね?
ちえり:うん。鯉まで行きたい。
まい:トビウオで行こう!(笑)。そういう気持ちで活動していきたいです。
取材・文=田中大
【MV】ディファレンシア / ...そして、消え逝くキミ達と。
ライブ情報
2026年8月17日(月)恵比寿 LIQUIDROOM
OPEN/START 18:00/18:45
A
B
メンバー別カード
リリース情報
2026年7月29日(水) Release
品番:KEKM-001 価格:1,650円(税込)
封入特典:オリジナルトランプ「ハート絵柄:2〜10」「スペード絵柄:2〜10」(全18種中1種ランダム封入)
<CD>
01.Overture#001
02.ディファレンシア
03.せやかて工藤か、知らんけど
04.モーニング・グローリー
品番:KEKM-002 価格:1,650円(税込)
封入特典:オリジナルトランプ「ダイヤ絵柄:2〜10」「クローバー絵柄:2〜10」(全18種中1種ランダム封入)
<CD>
01.Overture#001a
02.ディファレンシア
03.アニメ
04.モーニング・グローリー