清原果耶、小関裕太が荘厳で美しい姿を魅せる 舞台『ジャンヌ・ダルク』ビジュアル撮影レポート
次に行われたのは、シャルル7世を演じる小関裕太の撮影。こちらも撮影が始まる前に白井と小関がシャルルという人物について簡単なディスカッションを行っていた。白井の言葉に耳を傾け、時に笑顔で頷きながら、シャルルの“核”となる部分を探っている小関。また、小関から出た「シャルルの自信のなさ」「政治家」といったキーワードを白井も頷きながら聞き、歴史的背景やジャンヌへの思いを紐解いていく。
元々は権力から遠い場所にいたが、ジャンヌの活躍によってフランス王となったシャルル7世。イングランドの捕虜となったジャンヌを見殺しにした酷い王と言われることが多いが、百年戦争に終止符を打って復興に励んだり、ジャンヌの死後に名誉回復の裁判を行ったりと功績も大きい。見方によって様々な評価ができる人物だからこそ、撮影の時点でしっかりと意思疎通を図っていく。 また、ジャンヌとの関係性、王としてのあり方が時期によって変わるため、ビジュアルはどの時点でのシャルルなのかといった擦り合わせを行い、すでに撮影を終えたジャンヌのビジュアルと重なるような表情やポーズを次々に撮っていた。
小関は「ジャンヌを思っているような雰囲気で」「厳しい顔から柔和な顔まで作ってみよう」という声にもスムーズに答え、仕上がりを真剣に確認しながら微調整を行っていく。途中で王冠や毛皮、王笏を手にすると、思わず膝をつきたくなるような厳かさに。重厚で繊細な作りの小道具に、実際に触れている小関も「おお!」と感嘆の声を漏らし、じっと見入る一場面も。
また、「キャラクターから外れるかもしれないんですけど、一回喜怒哀楽を出してみてもいいですか?」と提案すると、若者らしい溌剌とした表情から王様らしい権威に満ちた表情まで、次々に雰囲気を変えていく。バリエーションを作りながら、自らもしっくりくるシャルル像を模索している様子。撮るたびによくなっていく表情に、撮影を見るスタッフからも称賛の声が上がっていた。
どちらの撮影においても、ビジュアルとしての格好良さに加え、史実や作品の世界が一目で伝わるよう、全員がイメージを共有してディスカッションしていることが見てとれた。限られた時間での撮影ということもあり現場は忙しないが、焦りは感じられず、各々がプロフェッショナルな仕事をしながらいい雰囲気で進んでいく。
初演、再演をベースにブラッシュアップした作品を作ろうという気概がびしびし伝わってきた。ここから稽古を行い、他のキャストや音楽、セットや照明が加わったら、どれだけの迫力と説得力を持つ作品が生まれるのか、非常にワクワクするビジュアル撮影の現場だった。
本作は2023年11月末より12月末、東京・大阪での公演が予定されている。また、8月7日(月)より主催先行がスタート。詳細は公式HPやTwitterをチェックしよう。
取材・文・撮影=吉田沙奈
公演情報
ジャンヌ・ダルク 清原果耶
シャルル7世 小関裕太
タルボット 福士誠治
傭兵ケヴィン 荒木飛羽
アランソン公 深水元基
マリー・ダンジュー 山崎紘菜
傭兵レイモン 坪倉由幸(我が家)
サントライユ 野坂 弘
クルパン ワタナベケイスケ
ラ・イール 粟野史浩
ヨランド・ダラゴン りょう
ラ・トレムイユ卿 神保悟志
ベッドフォード公 岡田浩暉
コーション司教 榎木孝明
脚本:中島かずき (劇団☆新感線)
音楽:三宅 純
監修・原案:佐藤賢一 参考文献「ジャンヌ・ダルクまたはロメ」
美術:松井るみ
照明:おざわあつし
音響:井上正弘
映像:栗山聡之
衣裳:太田雅公
ヘアメイク:川端富生
アクション:渥美 博
アクション助手:亀山ゆうみ
演出助手:豊田めぐみ、木村穂香
舞台監督:田中政秀
技術監督:白石良高
制作統括:笠原健一
制作:佐々木康志、藤本綾菜
プロデューサー:熊谷信也
企画製作:キョードー東京
お問合せ:キョードー東京 0570-550-799(平日11:00〜18:00/土日祝10:00〜18:00)
主催:キョードー東京/TBS/イープラス
後援:TOKYO FM/TBSラジオ
SS席 20,000円 ※1 階前方 2列センターブロック パンフレット・オリジナルグッズ付き
S席 13,500円
A席 9,800円
学生席 5,000円
お問合せ:キョードーインフォメーション 0570-200-888(11:00-18:00/日祝休業)
主催:サンライズプロモーション大阪
S席 13,800円
A席 7,800円
*未就学児入場不可。ひざ上での鑑賞不可。
受付期間:2023/8/7(月)10:00~2023/8/15(火)23:59
https://eplus.jp/jd2023/
公式サイト https://jd2023.jp/