R-18の展覧会『美しい春画-北斎・歌麿、交歓の競艶-』開催、葛飾北斎の幻の名品、最も有名な「蛸と海女」など展示

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2024.8.13

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9月7日(土)~11月24日(日)に京都の細見美術館にて、18歳未満は入場禁止の『美しい春画-北斎・歌麿、交歓の競艶-』が開催される。

日本初公開、喜多川歌麿「階下の秘戯」(部分) 似鳥美術館蔵【通期展示】

日本初公開、喜多川歌麿「階下の秘戯」(部分) 似鳥美術館蔵【通期展示】

一般に人間の性愛を描いた絵画の総称で、男女の姿がおおらかに、時にユーモアをもって描かれている春画。同展覧会では版画・版本の作品に加え、特に1点ものである絵画作品「肉筆春画」に焦点を当て、これまで美術館での展示が叶わなかった作品や海外から里帰りを果たした作品を含む、精選された美麗な春画約70件を紹介する。巡回予定はなく、同館のみの開催となる。

「笑い絵」とも呼ばれた春画は、江戸時代に浮世絵の普及とともに、大名から庶民まで貴賤を問わず、男女対等に楽しまれていた。また春画は縁起物でもあり、嫁入り道具として母から娘や嫁に受け継がれていたが、明治時代以降、西洋的倫理観の流入に伴い、春画はタブーとみなされ、秘すべきものとされるようになる。

春画を巡る環境が大きく変化したのは、2013~14年に開催された、ロンドンの大英博物館で『春画 日本美術の性とたのしみ(Shunga sex and pleasure in Japanese art)』から。春画の高い芸術性とユーモラスな発想が海外で高く評価された。そして2015~16年には、日本では初めてとなる本格的な「春画」展が永青文庫(東京・目白)と細見美術館(京都・岡崎)で開催され、大きな注目を集めた。以降、浮世絵研究においても春画は特殊なジャンルではなく、絵師の作画活動の一つとして捉えられるようになる。

関西初公開となる、葛飾北斎 「閨中交歓図」(部分) 個人蔵【前期展示】

関西初公開となる、葛飾北斎 「閨中交歓図」(部分) 個人蔵【前期展示】

会場では3部構成に分けられて展示予定。第1章「上方春画の世界」では、さまざまな上方春画を紹介。中でも、18世紀後半の上方春画界を席捲した月岡雪鼎の作品は、江戸のそれと比較して濃厚な描写が特徴的。当時、雪鼎の春画を所持すると火伏せのお守りになるという伝説が生まれるほど、人気を博した。

日本の美術館で初公開、葛飾北斎「肉筆浪千鳥」より(部分) 個人蔵【通期展示】

日本の美術館で初公開、葛飾北斎「肉筆浪千鳥」より(部分) 個人蔵【通期展示】

見どころ満載となる第2章「北斎・歌麿の競艶」では、日本の美術館では初公開となる葛飾北斎の幻の名品「肉筆浪千鳥」や、喜多川歌麿の大作の『歌満くら』を展示。かつて春画の最高峰と目された『浪千鳥』、北斎自身の筆によると認知される『富久寿楚宇』とも同時に比較しながら見られる、初の機会となる。10月16日(水)からの後期展示で北斎春画作品の中で最も有名な「蛸と海女」の図で知られる『喜能会之故真通』も登場する。

歌川国貞 『艶紫娯拾余帖』より 国際日本文化研究センター蔵【頁替あり】

歌川国貞 『艶紫娯拾余帖』より 国際日本文化研究センター蔵【頁替あり】

注文による1点モノの肉筆春画では、金や銀をはじめ、良質な絵具を用いて男女の肌や身体、着物などが繊細に描かれている。第3章「魅惑の浮世絵春画」では、艶墨が使われた髪、陰毛の緻密な毛描きなどの技を凝らした表現にも注目。また、版元や絵師の名を隠した地下出版物であった春本では、豪華絢爛な色彩に加え、雲母摺り、空摺といった江戸版画の超絶技巧を堪能できる。贅を尽くした美しい春画の世界を愉しもう。

会期中には、教授や学芸員による講演会を開催するほか、関連企画として春画をテーマとした映画『春画と日本人』も上映される。

横幅1メートル超えの大作、喜多川歌麿「夏夜のたのしみ」(部分) 個人蔵【通期展示】

横幅1メートル超えの大作、喜多川歌麿「夏夜のたのしみ」(部分) 個人蔵【通期展示】

展覧会のはイープラスにて販売中。

イベント情報

『美しい春画-北斎・歌麿、交歓の競艶-』
会 期:2024年9月7日(土)~11月24日(日)
[前期]9月7日(土)~10月14日(月・祝) [後期]10月16日(水)~11月24日(日)
休 館 日 :毎週月曜日(祝日の場合、翌火曜日)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料 当日券 2,200 円 前売り券 2,000 円
●お得な前売りペア 2 枚 1 組 3,800 円
※前売り券は9月6日まで販売
※団体・学生・障がい者などの割引はありません
18歳未満は入場禁止 ※会場にて年齢の分かるものをご提示いただく場合があります
会 場:細見美術館 京都市左京区岡崎最勝寺町6-3 http://www.emuseum.or.jp
主 催:細見美術館 朝日新聞社 京都新聞
特別協力:角匠
協 力:カルチュア・コンビニエンス・クラブ

①講演会「春画鑑賞空間の古今」
日 時:2024年9月8日(日)14:00~(約90分)
会 場:京都市勧業館みやこめっせ 大会議室
講 師:樋口一貴(十文字学園女子大学 教授)
定 員:100名 ※申込先着順。定員になり次第、受付を終了いたします。
参 加 費 :1,500円(友の会 1,000円)※当日現金にてお支払いください
申込方法:以下のフォームに必要事項を入力の上、お一人ずつお申込みください。
https://forms.gle/qJLnagp7hpMkvFRn9 
②講演会「春画の見方、味わい方」
日 時:2024年10月27日(日)14:00~(約90分)
会 場:京都市勧業館みやこめっせ 大会議室
講 師:山本ゆかり(多摩美術大学 講師、川崎・砂子の里資料館 学芸員)
定 員:100名 ※申込先着順。定員になり次第、受付を終了いたします。
参 加 費 :1,500円(友の会 1,000円)※当日現金にてお支払いください
申込方法:以下のフォームに必要事項を入力の上、お一人ずつお申込みください。
https://forms.gle/GSf4Fxf1YJpjQvdJ8
③映画『春画と日本人』上演
上映期間:2024年10月4日(金)~10月10日(木)
会 場:京都シネマ(京都市下京区烏丸通四条下ル COCON烏丸3階)
観賞料金:一般1,900円、シニア1,300円、会員・大学生専門学生1,100円、障がい者手帳1,000円
※『美しい春画-北斎・歌麿、交歓の競艶-』の半券のご提示で、通常一般1,900円のところを1,300円で鑑賞いただけます。
※半券1枚につき、おひとり様割引となります。
※半券につきましては、使用前・使用後問いません。
※オンライン・窓口購入どちらも適応となります。
※窓口でのご利用の際は、購入時に提示の必要があります。
※オンライン購入では、入場時に提示をお願いしております。
※18歳未満の方はご入場いただけません。
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