「日本に足りないのはBAKA VIBES」元球児のMACK JACKがニューシングルに込めた想い、地元神戸で語るレゲエと野球への愛
暗い場所でも、いるだけでその場が明るくなるような存在になりたい(CHAI)
CHAI(チャイ)
ーー2017年に『COMING KOBE(以下、カミコベ)』に出演されたことはMACKJACKにとってのターニングポイントかなと思いますが、いかがですか。
CHAI:『カミコベ』は自分たちの中で1番良いライブができたんじゃないかという日で。JAGA-Cは今あまり喋ってないし「ヤーマンピーマン」しか言わないですけど、たまにすごく良いこと言うんです。
JAGA-C:ヤーマンピーマン。
ーー(笑)。
CHAI:僕ら、念願のカミコベに出れたのに知名度が全然なくて、急遽入れてくれたステージだったので、他のアーティストさんのステージに向かう大行列の人を目の前に、全然お客さんがいない状況で歌うしかなくて。「出れたのにこれかよ」と、リハーサル終わってネガティブになりかけてたところで、JAGA-Cが「全員お客さんにしたらいいんやろ」と、すごいポジティブなことを言って。そこでM.C.Lのスイッチも入って、全員をお客さんにする気合いでマイクで大声で呼びかけて。ライブも過去1番のフルバイブスでやれたんです。そしたらだんだん人が集まってきて、最終的に0から50人ぐらいまで増えて。その中にレーベルの方がいらっしゃって、ライブを見てもらえました。
JAGA-C:僕が言っても何も変わらへんと思ってたから、とりあえずM.C.Lに何か言おうと思って。そしたらM.C.Lがテンション上がり始めて「お前何やねんそれ、バカちゃうん。だけどやる気出てきた!」みたいな。
M.C.L:バカやな〜。BAKA VIBESやな〜。
ALI:でも結構そういう場面あるよね。他の出演者さんを見に来てるお客さんをどれだけ自分たちに巻き込めるかというのは、常に意識しながらライブをやってるので。『カミコベ』の経験は今もすごく活きてると思います。
ーー7月にリリースされたシングル「心に太陽」に<どんな時でも心に熱い太陽を>というリリックがありますが、こういうマインドを持ち続けていたところはありますか。
CHAI:高校の時からずっと意識してますね。心に太陽というか、暗い場所でもいるだけでその場が明るくなるような存在になりたいなとは、昔からみんな考えてました。
ALI:そうなりたいという憧れもあるよね。この曲は自分らにも言い聞かせてますね。
ーー何かそう思うキッカケはありましたか。
CHAI:僕、当時バッティングが悪くて、5歳上のコーチがつきっきりで朝練してくれていて。朝5時にコーチを起こしに行って、グラウンドで寝ぼけ眼のコーチと練習するんですけど、打てなさすぎて「何で俺こんな打てへんのよ」とうな垂れた時に、「お前それ言えるぐらいやってんのかよ! 落ちていくの簡単なんだよ!」「こいつがおったら勝てる、こいつがおったら何かやれるんじゃないかと思わせる選手にならないとダメやろ」という話をされて、18歳の僕にはすごく響いて。そのおかげかもしれないです(笑)。
ALI:良い話。この曲は僕らも泣きながら仕上げたので、届いてほしいですね。
バカになって賢くなるなよ。何でもやっていけ(JAGA-C)
JAGA-C(ジャガシー)
ーーそして「BAKA VIBES」と「翔んでWi-Fi(feat.ジャガ先輩)」の2曲が同時リリースされます。どちらもアゲアゲの楽曲ですが、この2曲を同じ日に出そうとなったのはなぜですか?
M.C.L:「BAKA VIBES」に関しては元々やりたかったんですけど、「飛んでWi-Fi」はガイダンスですね。
ーーというのは?
M.C.L:たまたまJAGA-CやみんながWi-Fi難民で「Wi-Fi〜どこねん、Wi-Fi〜(探す仕草をしながら)」というのから、「これ曲にせえへんか」みたいな。バカやな〜という感じです(笑)。
ALI:「BAKA VIBES」はどちらかというとメッセージ性が強くて、バカと言いつつも「熱い気持ちを持っていけよ」という裏メッセージもあるんです。それと完全にちょけてる「飛んでWi-Fi」を交互に聞いてほしいというか。「BAKA VIBES」を聞いて「飛んでWi-Fi」を聞いたら「あ〜バカだな〜」となるし、「飛んでWi-Fi」を聞いて「BAKA VIBES」を聞いたら、「さっきバカやってたのにカッコええな」となってもらえたらいいな、という同時リリースです。
ーー「BAKA VIBES」はどんなことを歌いたかったんですか。
M.C.L:ほんまに暗いニュースが溢れてて、嫌やなとメンバーと言ってて。そういう時にポジティブでバカなバイブスがこんな暗い日本を変えれるんちゃうかなと思って、「バカな曲やらへん?」みたいなところから始まりました。
ーー「日本に足りないのは、時代に足りないのはBAKA VIBES」とありますね。
CHAI:大きく出てます。これだけ情報が蔓延してる時に何かを突き詰められるバカは少ないと思うので、そういう人でありたいという想いも込めてますね。
ALI:野球バカとか、「すごく熱中してる」という意味のバカでもあるので。
CHAI:褒め言葉やね。
JAGA-C:賢くなりすぎて挑戦せえへんのはやめてほしい、「諦めずに挑戦してほしい。バカになって賢くなるなよ、何でもやっていけ」という意味がこもってます。
ーーすごく納得です。ずっと野球1筋で来られて、その泥臭さを知っているから言えることだなと。<目の前壁だらけ?最高やんけ>なんて、なかなか言えないですよ。
CHAI:僕が言いたいのは、「逆境最高」ということですね。
ーー<ぶっ壊せ借り物のフェイス>も響きました。
ALI:僕はけっこう人見知りなので、自分に対しても「そんなん取っ払って泥臭くやっていけ」というメッセージはあります。
ーー人目を気にしてなかなか全力を出せないとか。
ALI:ありますよね。
ーーそんなところを打破していきたいと?
M.C.L:それはずっと思ってます。だから僕らはSNSでもさらけ出すスタイルです。どんどん周りにも影響を与えたいと思ってます。
ALI:あとこの曲はライブを1番楽しんでほしいですね。まだ声が出せなかったり、色んな制限があるライブも多いので、体で表現してノリノリになってほしい。
ーーイントロだけでタオルが回りそうですね。
ALI:YANAGIMAN大先生の曲ですからね。
ーー制作に関してはいかがでしたか。
CHAI:レコーディングで「バカが足りないよ! もっともっとバカにならないと!」と言われましたね(笑)
ALI:真面目すぎるねと(笑)。
ーー根っこが出たんですね。
ALI:1番から2番にかけてどんどんバカになっているのが「BAKA VIBES」の特徴です。
ーー最後は<そこに愛がないならNo Thank You!>と。
M.C.L:しっかり立て直しました(笑)。
CHAI:1番伝わってほしいところですね。
ALI:聴いてもらった後にポジティブになるメッセージが残ってほしいんです。「原点(2021年リリース)」にもある、自分たちの高校時代の経験も語りつつ、最後にメッセージを歌うパターンを「BAKA VIBES」にも採用してます。
ーー<時代に足りないのは BAKA VIBES 答えの無い世界でSURVIBE 気持ち次第でここは PARADISE>ですよね。
CHAI:そこの歌詞は全員で考えたんですけど、ほんまスッと埋まっていったよね。韻担当のM.C.Lが気持ち良い韻を踏んでくれて。
ーーライブで聞くと元気になりそうですね。
CHAI:早くライブで披露したたいですね。
12月に「阪神」で行われる、盟友とのツーマンライブ
MACK JACK
ーー「翔んでWi-Fi(feat.ジャガ先輩)」はジャガ先輩フィーチャリングということで。
JAGA-C:ジャガ先輩と僕、似てるんですけど、ちゃうんですよ。ジャガ先輩という地元の先輩がいて、僕は直属の後輩です。
ーーでは先輩の代わりにお聞きします。作詞は皆さんでされたんですよね。
全員:はい。
ーー曲のテーマは?
JAGA-C:ホテルに行っても、新幹線に乗っても、海外に行ってもどこに行っても、最初に探すのってWi-Fiですよね。そういうWi-Fi難民の方に向けた応援ソングです。
ーー応援ソング。
M.C.L:ジャガ先輩が困ってたん?
JAGA-C:ジャガ先輩も困ってて、共感してくれたからやってくれた。僕らだけじゃ歌えないから、ジャガ先輩にお願いして代わりに歌っていただいたんですけど。
ーーメインボーカルはジャガ先輩ですよね。
JAGA-C:もう全部です。
ALI:僕らは合いの手ぐらいですね。
ーー「翔んで」というのは?
CHAI:願いです。
M.C.L:Wi-Fi、翔んでいてほしい、と。
ーー<電波ごと心奪いたい>というのは?
CHAI:それはジャガ先輩のエゴが出ましたね。
M.C.L:ジャガ先輩はオラつき系なので、JAGA-Cには歌えないし書けないリリックなんです。
JAGA-C:怖い先輩なので、電波ごと全部奪いたいらしいです。
MACK JACK
ーーライブにはジャガ先輩はいらっしゃるんですか。
JAGA-C:いらっしゃる予定ですよ。これはジャガ先輩にしか歌えないので。
M.C.L:12月のツーマンは何とか押さえられるかな。
ALI:それを逃すと逆にヤバい。
JAGA-C:もう見れないんちゃうかみたいな。
M.C.L:裏情報で、ジャガ先輩が出てきた時に、JAGA-Cはいつもトイレかどこかにいなくなっちゃうんですよ。
JAGA-C:何でか知らんけど(笑)。
ーー今お話に出たツーマンライブ「バッチこ〜い! 2マン!2デイズ!」は、大阪と神戸2本立てですね。
ALI:「阪神」ですね。
ーーそういうことですか!
ALI:大阪編はレゲエDee JayのCORONAが出るんですけど、彼は僕らと同い年のDeeJayで、それこそ僕らがクラブやダンスホールでやってた時に一緒に出演したり、めちゃめちゃ遊んでた友達です。僕らは僕らのやり方で上がっていって、CORONAはCORONAのやり方で今現場を湧かしてるんです。このタイミングで一緒にやろうぜと言ったら2つ返事でOKしてくれて。多分向こうもめちゃめちゃ気合い入ってるし、僕らも成長した姿を改めて見せたいからけっこう燃えてますね。神戸編に関しては、CHAIとJAGA-Cが関係性が近いかな。
ーー神戸編は近石涼さんですね。
CHAI:音楽性的には全然交わる感じはしないと思うんですけど、俺らはバイト先が焼肉屋でずっと一緒だったんです。JAGA-Cがキャプテンで、近石がバイトリーダーをしていて。
JAGA-C:バイト上がってから深夜2人で音楽の話をしたり、「俺らどうやったら売れるかな」という話も結構してて。「いつかイベントできたらいいよね」と話してたら、今回実現できました。
CHAI:本当に昔から一緒にやろうと言いつつ全然タイミング合わずで。でも彼が僕らの主催ライブに遊びに来て「めちゃくちゃ良かったっす」と言ってくれたので、「それやったらやろうや!」「いいんすか!」みたいな感じで始まったんですけど、やっぱ後輩なんでね、負けたくないっす!
JAGA-C:闘志とリスペクト。
ALI:もちろんリスペクトありきです。その意味では大阪編と神戸編、色が違う燃え方が見所だと思います。両方来たら面白いんちゃうかな。
ーー対バン相手によって全然違うものですか。
M.C.L:今回は特に変えましたね。
ーー気合いはかなりのものだということですね。
全員:はい! バッチこ〜い! です。
ーー最後に、今の夢は何ですか?
M.C.L:やっぱり野球で行けなかった甲子園球場でライブをするのが、僕ら4人の夢です。それはブレないので。この前もあいみょんの甲子園球場のライブを見て「ここや」と改めて再認識して。今足りていないものにも気付いているので、「やるだけやな」と燃えています!
MACK JACK
取材・文=ERI KUBOTA 撮影=高村直希
取材協力=神戸JAMDUNG
リリース情報
ライブ情報
日程:2022年12月16日(金)
時間:OPEN19:00 / START19:30
会場:アメリカ村 BEYOND
出演:MACK JACK、CORONA、(GUEST)DJ PALLUC
料金:¥2,500(税込) [オールスタンディング・ドリンク代別・整理番号付]
【学割】¥1,500(税込)[オールスタンディング・ドリンク代別・整理番号付]
日程:2022年12月18日(日)
会場:MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
出演:MACK JACK、近石涼
【学割】¥1,500(税込)[オールスタンディング・ドリンク代別・整理番号付]