ミュージカル『アニー』2017の主役&孤児役合格者と新しい演出家を発表! 新アニーは野村 里桜と会 百花、演出は山田和也
ミュージカル『アニー』新しいアニーと孤児とスタッフたち
【THE MUSICAL LOVERS】
Season 2 ミュージカル『アニー』【第0回】
ミュージカル『アニー』2017の主役&孤児役合格者と新しい演出家を発表! 新アニーは野村 里桜と会 百花、演出は山田和也
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ミュージカル 『アニー』 2017年公演の子役(アニー役、孤児役)オーディションの最終合格者が10月2日に麹町の日本テレビで発表された。オーディションは去る9月24日・25日、10月1日・2日に行われた。
1986年に日本テレビ主催により日本での上演がスタートした『アニー』は、これまでのべ167万人もの観客に感動を与え続けてきた国民的ミュージカル。32年目となる今回は、2016年まで16年間演出を担当したジョエル・ビショッフ氏にかわり、『ラ・カージュ・オ・フォール』『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』などの演出で知られる山田和也氏を新演出家として迎えることも発表された。
2017年からは翻訳台本・編曲・振付・舞台美術・衣裳なども一新することとなり、最終合格者発表には山田氏ほか、新演出版スタッフである音楽監督の佐橋俊彦氏、振付・ステージングの広崎うらん氏も登壇。フレッシュで華やかな『アニー』始動の瞬間となった。
記念すべき新演出版『アニー』のオーディションは、今回から自由曲の審査がなくなり、課題曲→ダンス審査→ワークショップ審査(身体表現、ダンス、「ハードノックライフ」の歌を組み合わせたもの)という内容で進められた。その最終合格者発表に臨んだのは、オーディションを勝ち進んだ約50名の子らとその家族。協賛企業である丸美屋食品工業株式会社 広報宣伝室 室長 杉山典由氏は「最終審査まで選ばれただけでも素晴らしい。いつまでも、ミュージカル『アニー』を我々とともに応援していただきたい」と、皆の努力に対して称賛を惜しまなかった。
丸美屋食品工業株式会社 広報宣伝室 室長 杉山典由氏が挨拶
続いて演出の山田氏から講評。「先週から今日までのオーディションで沢山の皆さんに会いました。例年のことはわからないけれど、今年は水準が高いと聞いています。だから今日、ここまで残ったことに自信を持ってほしい。実はほんの20分前まで喧々諤々、選ぶのが困難なオーディションでした。ひとりひとりが魅力的で、誰もいなくなってほしくない、でも選ばなくてはいけなくて、とてもつらかった。選ばれた人たちが優れていた、というよりも、この作品や主役のアニーを中心としたバランスをみて最終的に決めました。だから選ばれなかったとしても、皆素晴らしかった、と伝えたいです」
新たに演出を担当する山田和也氏
そして合格者発表の時が来た。皆、祈るように手を合わせ、シーンと静まり返っている。
緊張感いっぱいの中、山田氏が合格者の名を読み上げる。「合格者はその場に立って」という指示だったが、最初にモリー役に選ばれた少女が「ハイッ」と元気よく返事をし、山田氏の前にぴょーんと躍り出たことで、張りつめていた場内の空気がやわらいだ。
モリー役の子が歓喜のあまり山田氏の前に出てきてしまった(笑)
モリー役、ケイト役、テシー役、ペパー役、ジュライ役、ダフィ役(それぞれWキャスト)の孤児役12名が次々と発表され、いよいよアニー役2人の発表。
孤児役として名前を読み上げられると、その場に立つことになっている
2017年のアニー役に選ばれたのは、野村里桜(のむら りお)さん・会 百花(かい ももか)さんだ! 涙が止まらない野村さんと、晴れやかな笑顔の会さんの周囲では「わーん、わーん」という泣き声、「頑張ったよ! 頑張ったよ!」とお互いの健闘を讃える姿、「良かった!」「嬉しい!」と、自身や友だちの合格を喜ぶ姿、まさに悲喜こもごもの光景であった。
アニー役
野村 里桜(ノムラ リオ)
会 百花(カイ モモカ)
小金 花奈(コガネ ハナ)
今村 貴空(イマムラ キア)
林 咲樂(ハヤシ サクラ)
年友 紗良(トシトモ サラ)
井上 碧(イノウエ アオイ)
久慈 愛(クジ アイ)
小池 佑奈(コイケ ユウナ)
吉田 天音(ヨシダ アマネ)
笠井 日向(カサイ ヒナタ)
相澤 絵里菜(アイザワ エリナ)
宍野 凜々子(シシノ リリコ)
野村 愛梨(ノムラ アイリ)
小学生の頃からミュージカル『アニー』が大好きで、この新演出版が始動する2017年にアニーになりたい歴30年を迎える筆者としては、全員で「トゥモロー」の合唱をする際、感極まってもらい泣き! それほどまでに、そこには熱い涙がいっぱいだった。
全員で「トゥモロー」を合唱
2016年アニー役の河内桃子さん・池田葵さんもお祝いに駆けつけ、花束とともにアニー役をバトンタッチ。
(左から)河内桃子さん、野村里桜さん、会百花さん、池田葵さん
フォトセッションを挟み、囲み取材が行われた。主な一問一答は以下のとおり。
-- 今回の『アニー』の演出プラン、意気込みは?
山田: 具体的なことは未定で、それぞれのスタッフと今後考えていきますが、どうすれば『アニー』らしい『アニー』になるのか? アニーらしいって何だろう? それはこの2人に出会えたことが今回の『アニー』だと思うので、彼女たちと一緒に新しい『アニー』を創っていきたいと思います。
-- アニー2人に一言。
山田: 良かったね! 頑張ったと思います。あなたたちの中に「アニーってこういう子なんじゃないか」と感じました。あなたたちはあなたたちのままでいいので、一緒に頑張ろう!
-- アニーに決まった率直な気持ちと自己紹介をお願いします。
野村: 野村里桜(のむら りお)、9歳です。自分らしさを出して、前向きで、私にしかできないアニーを演じたいです。
会: 会 百花(かい ももか)、11歳です。アニーはとっても明るくて可愛くて、皆に愛される人だと思うので、皆さんに伝わるように精いっぱい頑張りたいです。
(左から)野村里桜さん、会百花さん
-- 合格したことを、誰に伝えたいですか?
野村: 家族に伝えて一緒に喜びたいです。
会: 家族と、教えてくれた先生です。
-- 『アニー』という作品に対する思い入れや意気込みを教えてください。
野村: 初めて観たときは全然そんな……途中で寝てたりもしたんですけど(笑)、アニーは前向きで、何があってもくじけず、自分にすごく厳しくて、ずっと笑顔を絶やさない子だと思うので、そういうアニーになりたいです。
会: 最初に舞台や映画の『アニー』を観たときには、私もさほど興味がなかったのですが(笑)、もう一度映画を観たときに「すごい」と思うようになって、オーディションを受けようと決意しました。毎日練習して、「アニーって何だろう」と考え続けて、受かることができました。
山田: (2人に)良かったですね、僕も映画を何十年も前に観ました。素敵な映画ですよね。そのあと舞台を観て素敵なミュージカルだと思い、自分の子どもが小さい頃に劇場に連れて行きました。自分でやるとは思っていなかったので、まさかこんな日が来るとは……責任重大です。頑張ります。努力します!
2人と肩を組む際「触るけど……」とジェントルマンな山田氏が場内の笑いを誘った。
-- オーディションで大変だったことは?
野村: 歌と芝居は、アニーになりきってセリフを言うことが大事なので、「アニーがこういうことを言うときは、どんな気持ちなんだろう」と、アニーらしさを出して頑張りました。
会: 歌は審査員に伝わるように、そしてダンスは「演技をしないで表現する」、というのが難しかったです。
-- 音楽監督の佐橋俊彦氏、振付・ステージングの広崎うらん氏から一言。
佐橋: 「音楽的に新しいアニー」を実現してくれる2人を選びました。この2人しかいない、と思ってワクワクしています!
広崎: 今回初めてワークショップ形式の審査をしました。踊りだけ芝居だけ勉強したことだけ、ということではなく、「自分から湧いてくるもの」を見させてもらったのが今までとの一番の違いです。今日まで残った子どもたちは全員素晴らしく、本当に厳しい選考でした。2人のアニーに期待するのはオリジナリティ。誰かに与えられたものではなく、自分たちで考えてきたことや、芝居をしないで表現できることが素晴らしかった。2人は背の高さも凸凹で、キャラも全然違いますが、この2人に合う孤児たちを2組選びました。この子たちとどんな舞台ができるのか、楽しみです!
囲み取材の模様
会さんは今回『アニー』のオーディションに初めての挑戦で主役を勝ち取った。一方、野村さんは、2014年にモリー役で出演したことがあり、今回は主役で二度目の出演になる。そればかりか、今回ダフィ役で合格した姉の野村愛梨さん(2014年はストリートチャイルド役)とともに姉妹で2回出演の快挙は、史上初。野村さんは「家で練習したり教え合って、頑張っていきたい」と満面の笑みを見せた。
また、阪神タイガース内野守備走塁コーチ 久慈照嘉氏の娘・久慈愛さん(10歳)も昨年に続く2回目の挑戦でテシー役に合格、「昨年初めて『アニー』を観たとき、輝いていて勇気があっていいな、私もアニーになりたい、と、今の自分の力を出して頑張った。お父さんには、アニーにはなれなかったけれど孤児の仲間になったよ、って報告したいです」と喜びを語った。
テシー役に選ばれた久慈愛さんは、阪神・久慈照嘉コーチの長女だ
最後に「観に来てね」と可愛らしく言って場内の爆笑をさらった山田氏は、日本大学藝術学部演劇学科演出コース在学中に三谷幸喜氏らと「東京サンシャインボーイズ」を結成。ミュージカルのみならずストレートプレイなど、ジャンルを超えたさまざまな作品を演出してきた。映画、ドラマ、アニメ、ミュージカルなどの作曲・編曲を手がける佐橋氏、演出・振付・パフォーマンスもこなす広崎氏という強力なスタッフ陣を得て、既に名作である『アニー』をいかにブラッシュアップするのか。特にコメディで磨かれた山田氏のテンポの良さ、笑いのセンスに期待大だ。
11月19日には「ダンスキッズ」16名を選出するオーディションを開催する。近年は「タップキッズ」だった役柄だが、舞台をより魅力的にするためタップに限らず、さまざまなダンスで舞台を彩ってくれるとのこと。今回の合格者以外は併願可能であることが発表されている。まだまだ実力のある子どもたちはたくさんいるようだ。『アニー』に出演する夢を持つ子どもたちのチャンスが広がったことが喜ばしい。
丸美屋食品ミュージカル『アニー』は、新国立劇場 中劇場にて2017年4月下旬~5月公演予定。(東京公演ほか、各地公演も予定)
丸美屋食品工業株式会社 広報宣伝室 杉山典由室長と新アニーの二人
記者の前でおなじみのアニーポーズをとる野村里桜さん、会 百花さん。
取材・文:ヨコウチ会長 写真撮影:安藤光夫
<THE MUSICAL LOVERS ミュージカル『アニー』>
[第0回] ミュージカル『アニー』2017の主役&孤児役合格者と新しい演出家を発表! 新アニーは野村 里桜と会 百花、演出は山田和也
[第1回] あすは、アニーになろう
[第2回] アニーにとりつかれた者たちの「Tomorrow」(前編)
[第3回] アニーにとりつかれた者たちの「Tomorrow」(後編)
[第4回] 『アニー』がいた世界~1933年のアメリカ合衆国~ <その1>フーバービル~
[第5回] 『アニー』がいた世界~1933年のアメリカ合衆国~ <その2>閣僚はモブキャラにあらず!/span>
[第6回] アニーの情報戦略
[第7回] 『アニー』に「Tomorrow」はなかった?
[第8回] オープニングナンバーは●●●だった!
[第9回] 祝・復活 フーバービル! 新演出になったミュージカル『アニー』ゲネプロレポート
[第10回] 『アニー』がいた世界~1933年のアメリカ合衆国~ <その3>ラヂオの時間
[第11回] 『アニー』がいた世界~1933年のアメリカ合衆国~ <その4>飢えた人々を救え!
[第12回] 『アニー』がいた世界~1933年のアメリカ合衆国~ <その5>ウォーバックスにモデルがいた?
[第13回] ブラックすぎる!? 孤児院の実態
[第14回]ウォーバックスの財力と華麗なる元カノ遍歴
[第15回]Leapin' Lizards! リメイク映画『ANNIE』のトリビア<前編>
[第16回]Leapin' Lizards! リメイク映画『ANNIE』のトリビア<後編>
[第17回]ミュージカル『アニー』2018の主役&孤児役合格者、発表! 新アニー役は新井夢乃&宮城弥榮!
[第18回]決まったぞ~! ハニガン役に辺見えみり、グレース役に白羽ゆり!丸美屋食品ミュージカル『アニー』大人キャスト
[第19回]サンディが33年目にして犬種チェンジ! 丸美屋食品ミュージカル『アニー』
[第20回]新旧演出版のアニーたちが最後の共演!「丸美屋食品ミュージカル『アニー』クリスマスコンサート2017」レポート
[第21回]『アニー』劇中 人名&用語辞典<前編>
[第22回]『アニー』劇中 人名&用語辞典<後編>
[第23回]パワーアップする2018年『アニー』~演出の山田和也にインタビュー
[第24回]2年目の山田演出は、「より分かり易く」「より面白く」!ミュージカル『アニー』ゲネプロレポート
[第25回]細かいところが面白い!2018年『アニー』<前編>
[第26回]細かいところが面白い!2018年『アニー』<後編>
[第27回]ミュージカル『アニー』2019の主役&孤児役合格者、発表! 平成最後・新元号最初のアニーは岡 菜々子と山﨑玲奈
■出身:千葉県
■年齢:9歳(小学校4年生)
■芸歴:ミュージカル『アニー』2014年 モリー役。ミュージカル『ジャッキー!』2016年 ジャッキー役(主役)。
■出身:東京都
■年齢:11歳(小学校5年生)
■芸歴:舞台『アリス~不思議の国の物語』2015年 Sアリス役。CM『木更津かんらんしゃパーク キサラピア』2016年。
■日程:2017年4月22日(土)~5月8日(月)
■会場:新国立劇場 中劇場
■日程:2017年8月10日(木)~15日(火)
■会場:シアター・ドラマシティ
■日程:2017年8月19日(土)~20日(日)
■会場:東京エレクトロンホール宮城
■日程:2017年8月25日(金)~27日(日)
■会場:愛知県芸術劇場 大ホール
■日程:2017年9月3日(日)
■会場:サントミューゼ大ホール
[スマイルDAY]
4月24日(月)17:00公演
4月25日(火)17:00公演
全席指定:特別料金6,500円(税込)
[わくわくDAY]
4月26日(水)13:00公演 / 17:00公演
来場者全員にオリジナルグッズプレゼント
(「犬ぬいぐるみ」「ハート型ロケットペンダント」「アニーのくるくるウィッグ」「非売品Tシャツ(Sサイズ)」4点のうちいずれか1点をもれなくプレゼント)
(入場持参で当日のみ引き換え。グッズによっては数に限りがあり、先着順となります。)
※ 4歳未満のお子様のご入場はできません。
※ はお一人様1枚必要です。
■一般発売開始:2017年1月14日(土)10:00~
■作曲:チャールズ・ストラウス
■作詞:マーティン・チャーニン
■翻訳:平田綾子
■演出:山田和也
■音楽監督:佐橋俊彦
■振付・ステージング:広崎うらん
■美術:二村周作
■照明:高見和義
■音響:山本浩一
■衣裳:朝月真次郎
■ヘアメイク:川端富生
■舞台監督:小林清隆・やまだてるお
野村 里桜、会 百花(アニー役2名)
藤本 隆宏(ウォーバックス役)
マルシア(ハニガン役)
彩乃 かなみ(グレース役)
青柳 塁斗(ルースター役)
山本 紗也加(リリー役)
ほか
■協賛:丸美屋食品工業株式会社
<チーム・バケツ>
アニー役:野村 里桜(ノムラ リオ)
モリー役:小金 花奈(コガネ ハナ)
ケイト役:林 咲樂(ハヤシ サクラ)
テシー役:井上 碧(イノウエ アオイ)
ペパー役:小池 佑奈(コイケ ユウナ)
ジュライ役:笠井 日向(カサイ ヒナタ)
ダフィ役:宍野 凜々子(シシノ リリコ)
アニー役:会 百花(カイ モモカ)
モリー役:今村 貴空(イマムラ キア)
ケイト役:年友 紗良(トシトモ サラ)
テシー役:久慈 愛(クジ アイ)
ペパー役:吉田 天音(ヨシダ アマネ)
ジュライ役:相澤 絵里菜(アイザワ エリナ)
ダフィ役:野村 愛梨(ノムラ アイリ)
ダンスキッズ
<男性6名>
大川 正翔(オオカワ マサト)
大場 啓博(オオバ タカヒロ)
木下 湧仁(キノシタ ユウジン)
庄野 顕央(ショウノ アキヒサ)
菅井 理久(スガイ リク)
吉田 陽紀(ヨシダ ハルキ)
<女性10名>
今枝 桜(イマエダ サクラ)
笠原 希々花(カサハラ ノノカ)
加藤 希果(カトウ ノノカ)
久保田 遥(クボタ ハルカ)
永利優妃(ナガトシ ユメ)
筒井 ちひろ(ツツイ チヒロ)
生田目 麗(ナマタメ レイ)
古井 彩楽(フルイ サラ)
宮﨑 友海(ミヤザキ ユミ)
涌井 伶(ワクイ レイ)